おなかの赤ちゃんが逆子だと言われると赤ちゃんの成長や妊娠の経過に影響がないかと不安になるかもしれませんね。
逆子のほとんどは臨月までになおるため、妊娠中期に逆子だといわれても心配する必要はありませんが、いつまでになおらないと逆子のままで出産に臨むことになるのでしょうか?
ここでは、逆子になる原因やそのなおし方などについてご紹介しています。
逆子とは
逆子(さかご)とは、胎児の頭が下を向いていない状態のことをいいます。
妊娠5ヶ月頃には赤ちゃんの内臓や手足などの各器官はほぼ完成し手足を動かせるようになるので多くのママが胎動に気づくようになります。
ママのおなかの中で赤ちゃんは基本的に頭を下にした姿勢で過ごしていますが、妊娠6ヶ月頃になると子宮が大きくなり羊水量も増え赤ちゃんが動けるスペースがあるため、くるくる回ったりと元気に動き回るようになります。
そして妊娠後期になると自然と頭を下にした状態で落ち着き出産の時を待ちますが、何らかの理由で頭が上の状態で落ち着いてしまうと安全のために多くは帝王切開となります。
逆子はいつまでになおらないと心配?
赤ちゃんがくるくると動き回っている妊娠中期に逆子だと言われても、そのうち自然となおりますのであまり心配はいりません。
成長して動き回れるスペースが少なくなると体の向きを変えるのが難しくなることと、赤ちゃんの頭が重くなることで自然と頭が下になった状態で落ち着くためです。
実際に妊娠中期は約半数程度が逆子とされますが、出産間近の妊娠36週では95%以上の赤ちゃんは逆子がなおって正しい位置になります。
出産予定日は一般的に「妊娠40週0日」とされますが、予定日ちょうどに産まれる確率は2%程度でズレるのが当たり前です。
妊娠37週~妊娠41週までに出産することを「正期産(せいきさん)」といい、母子ともに一番リスクが少なく出産時期の正常範囲とされています。
妊娠35週ごろになっても逆子のままの場合は、赤ちゃんの状態などを確認の上で帝王切開の準備をし、妊娠37~38週に手術を行なうことが一般的です。
羊水量が減って赤ちゃんが動きにくくなる妊娠35週以降では自然に逆子がなおる可能性が低くなります。
逆子になる原因
逆子になる原因にはさまざまな理由が考えられます。
【逆子になる原因】
- 子宮の異常
- 前置胎盤
- 骨盤が狭い
- 双子
- 羊水過多
子宮や骨盤の形が原因となるほか、羊水の量や多胎妊娠など胎嚢(たいのう)内の環境に影響されることもあります。
なおママが寝るときの姿勢や生活習慣などは関係ありませんので、特別に医師からの指示がない限り気にする必要はありません。
高齢出産の場合も、年齢が理由で逆子になりやすいということはありません。
子宮の異常
双角子宮など子宮の形が生まれつき通常と異なっている場合や、子宮筋腫によって子宮内の形が変わっている場合、赤ちゃんのおさまりが悪いと逆子になることがあります。
前置胎盤
前置胎盤(ぜんちたいばん)とは本来は子宮の上の方にあるはずの胎盤が、子宮の出口あたりに形成されてしまって出口が塞がれそう、または塞がれている状態のことをいいます。
胎盤が子宮口あたりにあるため、赤ちゃんの頭が下を向きにくいことがあります。
骨盤が狭い
ママの骨盤がもともと狭く、赤ちゃんの頭のおさまりが悪いと逆子になることがあります。
双子
双子や三つ子などの多胎妊娠では、赤ちゃんが動けるスペースが狭いため逆子のまま落ち着いてしまうことがあります。
羊水が多い
ママの妊娠糖尿病や赤ちゃんの体の問題などが原因で羊水量が増える「羊水過多」の状態では、赤ちゃんが動きやすいため逆子になることがあります。
逆子のリスクとは
逆子は何が問題なのでしょうか?
妊娠中は逆子であっても、赤ちゃんの発育に影響はなく早産しやすいといったこともありません。
ママの体調にも影響はありません。
きっと赤ちゃんが一番楽な姿勢をとっていますので、焦らず優しく見守りましょう。
臨月までに95%以上の赤ちゃんの逆子は自然となおります。
もし臨月まで逆子のままだったとしても、安全な出産方法を検討しますので心配しなくて大丈夫です。
逆子の分娩は帝王切開?
逆子でも赤ちゃんの姿勢によっては経腟分娩が可能なケースもありますが、スムーズに産道を通れず新生児仮死となるリスクやへその緒が先に出てきてしまう臍帯脱出が起こるリスクなどがありますので、帝王切開を選択するケースが多いようです。
お腹を切る帝王切開について怖いイメージを持っている方は多いと思いますが、今や5人に1人は帝王切開で出産しています。
何が起こるか分からない経腟分娩よりも、準備を整えて管理ができる予定帝王切開の方が結果として母子ともに安全性を高めることができます。
逆子のなおし方
逆子が心配ないと言っても、もしなおせるものならなおしたいですよね。
なおると言われている方法には、「逆子体操」や「鍼」「お灸」などがあります。
これらの方法について医学的な効果は証明されていませんが、実際に効果を感じて指導を行なっている病院や治療院もあります。
ただし確実になおるわけではなくお腹が張る危険性もあります。
また赤ちゃんの姿勢やママの子宮や骨盤の状態によっては無理になおすのが良くない時もありますので、試してみたい方は我流で行なわず必ずかかりつけ医にご相談ください。
医師が行なう逆子の直し方としては「外回転術(がいかいてんじゅつ)」があります。
これは医師がママのお腹の上から赤ちゃんを回す方法です。
熟練の技が必要で早産のリスクなどもありますので、決して我流では行なわないでください。
まとめ
臨月に入っても逆子のままである割合は3~5%程度でそのほとんどは自然となおります。
逆子になる原因はいくつか考えられますが、努力で対策ができるものではなくまたママの生活習慣などは関係ありませんので、神経質にならずにリラックスして心穏やかにお過ごしください。
帝王切開になる可能性もありますが、赤ちゃんとご自身の安全第一です。
逆子の直し方について実践してみたい方は、必ず医師の指示をあおいでくださいね。