妊娠を待ち望んでいるカップルにとって、妊娠したかも?と思ったら一刻でも早く妊娠検査薬で確かめたいですよね。
生理の遅れや体調の変化で妊娠したかも?と気づくことが多いですが、早い人だと妊娠検査薬の使用推奨時期より前の、妊娠超初期にその変化を感じることがあります。
妊娠検査薬を使うタイミングが早すぎると、陽性反応がうっすらとしか出なかったりと判断に迷うこともあります。
このコラムでは妊娠検査薬が反応するタイミングや使うポイントなどについてご紹介いたします!
妊娠検査薬はいつから反応する?
妊娠検査薬が反応するのは、次の生理開始予定日の1週間後くらいからです。
生理周期には個人差があるため一律ではありませんが、生理周期が規則的な人の場合、「前回の生理開始日+生理周期+7日」が妊娠検査ができる日にちの目安になります。
生理周期が28日の人の場合、「前回の生理開始日から約5週間後」が妊娠検査薬を使う目安です。
基礎体温のグラフをつけている方は、より正確に分かります。
妊娠していない時なら、排卵日(≒セックスした日前後)後に体温が高い状態が続き、約2週間後にガクッと体温が下がり生理が始まります。
妊娠すると体温が下がらず高い状態が続きますので、妊娠の可能性にいち早く気づくでしょう。
この場合も、次の生理開始予定日の1週間後くらいを目安にしてください。
次の生理開始予定日がいつか分からない。。。という方は、排卵日ごろにセックスした日から3週間後くらいが目安です。
月経不順で次の生理開始予定日の予測が難しいという方もこちらを参考にするとよいでしょう。
妊娠を希望している女性は生理周期の記録はもちろん基礎体温のグラフもつけていると思いますが、つけていなかった場合でも何となく熱っぽい、だるい、胸が張るなどいつもと違う体調の変化を感じたら妊娠のサインかもしれません。
妊娠検査薬を使うタイミング!
【妊娠検査薬を使うタイミング】
- 次の生理開始日から約1週間後
- 前回の生理開始日から約5週間後
- セックスした日から約3週間後
生理周期は正常範囲でも25日~38日と個人差が大きく、生理周期が違えば排卵のタイミングも異なってきますので、このタイミングはあくまでも目安とお考えください。
妊娠検査薬の正しい使い方
妊娠検査薬はだれでも簡単に使えるように作られています。
その多くはスティック状をしており、スティックの所定の部分に尿をかけるか、紙コップに採尿してスティックをつけるかするだけで自宅で検査ができます。
その後数分待つだけで結果がでます。
尿の適正量や詳しい使い方は説明書に記載がありますので、正しく判定するためにきちんと読んで守りましょう。
妊娠検査薬の精度は高いため判定が陽性であれば妊娠している可能性が高いですが、あくまで妊娠しているかどうかその可能性を知る補助的なものです。
本当に妊娠が成立しているかの診断はきちんと産婦人科でみてもらう必要があります。
妊娠検査薬で妊娠が分かる仕組み
女性の身体は、妊娠に備えて毎月子宮内の環境を整え、受精が成立しなければ生理としてリセットします。
受精卵が着床し妊娠が成立すると、次の生理はこず女性の身体はお腹の赤ちゃんを育てるための変化が起こります。
受精卵が着床すると胎盤のもととなる絨毛が作られ、胎盤の成長を促進させるhCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが分泌され始めます。
hCGは着床後3~4日後くらいから尿中に出始めます。
妊娠検査薬は、尿中に出てくるこのhCGの濃度を測定することで妊娠の可能性を判定しています。
妊娠検査薬のフライング使用に注意!
多くの妊娠検査薬は生理予定日の約1週間後から使用することができます。
生理周期が毎月一定の人の場合、生理が1~2日遅れただけで妊娠の可能性に気づくかもしれませんね。
一刻も早く調べたくなるでしょうが、ちょっと待ってください。
妊娠検査薬は妊娠すると増えるホルモンを検出するため、人によっては次の生理予定日あたりでも反応するかもしれません。
陽性の反応が出れば妊娠している可能性は高いですが、陰性だった場合は本当に陰性かもしれませんし、まだ妊娠ホルモンが少なくて反応しないだけかもしれません。
その場合は1週間ほど待ってからもう一度検査をすることになり、妊娠検査薬ももったいないですので、ここは逸る気持ちを抑えて説明書通り生理予定日の1週間後くらいまで待ちましょう。
朝と夜はどちらがよい?
妊娠検査薬は尿中の妊娠ホルモンを調べます。
朝起きてすぐの尿が濃度が濃くて調べやすいと言えますが、適切な検査時期であれば朝・昼・夜のいつでも使えます。
したがって、一日の中でいつ使うかは気にしなくてよいでしょう。
「陽性」と「陰性」の意味
「陽性」と「陰性」という言葉は、どちらだとどうなのか分からなくなるという方が多いようです。
「陽性」の場合、妊娠している可能性が高いです。
ただし100%ではなく、流産してしまった後や子宮外妊娠などの妊娠が継続できない状態であっても陽性反応がでることがありますので、正常な妊娠かどうかを調べるためにも必ず病院できちんと検査を受けましょう。
「陰性」の場合、今回の検査では妊娠反応はありませんでした。
ただし、妊娠ホルモンが少ないなどで検出出来なかっただけということも考えられますので、その後も生理が始まらない場合は、再検査をするか医師に相談する必要があります。
妊娠検査薬は100%ではない
妊娠検査薬は精度が高いものの100%検査結果を保障するものではなく、また検査のタイミングや検査方法によっては間違った結果が出るケースもあります。
偽陽性
「偽陽性」とは妊娠検査薬では陽性だったのに、実際は妊娠していなかったケースです。
【妊娠していないのに妊娠検査薬が陽性になるケース】
- 不妊治療や黄体機能不全の治療のため、性腺刺激ホルモン剤の投与を受けている
- 絨毛性疾患がある(卵巣の絨毛がん、絨毛性上皮腫など)
不妊治療を受けている方は、妊娠検査薬を使う前に担当のお医者さまにご相談ください。
また、絨毛性疾患があると妊娠に関係なくhCGの分泌量が増えます。
正常な妊娠が成立していなくても陽性の結果が出ることがあります。
【妊娠の継続はできないが妊娠検査薬が陽性になる】
- 異所性妊娠
- 流産後
- 胞状奇胎:ほうじょうきたい
赤ちゃんが正常に成長できるのは子宮の中だけですが、それ以外の場所に着床してしまうことを「子宮外妊娠」または「異所性妊娠」といいます。
異所性妊娠は、妊婦さんのおよそ100人に2人の割合で起こります。
異所性妊娠を放置するとママの命にも危険が及ぶ場合がありますので、病院での正しい診断が必要です。
胞状奇胎(ほうじょうきたい)とは、受精がうまくいかなかったことによりおこる異常妊娠の一つで、妊娠の継続はできません。
また、流産してしまった後でも妊娠検査薬では陽性の判定が出ることがあります。
妊娠の可能性がないのに妊娠検査薬を使うことはないと思いますが、閉経期にも妊娠と無関係なhCGが出ているため、陽性になることがあります。
生理がこないのに妊娠検査薬が陰性
妊娠検査薬で何の反応もない場合、本当に妊娠していないといえるのでしょうか?
次の生理予定日あたりになっても生理がこないのに、妊娠検査薬が陰性になるのは次のような理由が考えられます。
【次の生理がこないのに妊娠検査薬が陰性】
- 生理の周期が不規則である
- 思い違いで生理予定日の計算を間違えた
- 異常妊娠である(子宮外妊娠など)
- 胎児異常である(胎児死亡、けい留流産など)
- 胞状奇胎などにより大量のhCGが分泌された
- 妊娠の経過により尿中hCG量が多くなりすぎた
妊娠検査薬の反応が「陰性」だったとしても、タイミングが早すぎるとホルモンの分泌量が少なく正しく判定できなかっただけで、実は妊娠していたという可能性はあります。
特に生理周期が不規則な人の場合、思った以上にズレていることがあります。
その場合は数日~1週間程度待ってからもう一度検査をしてみてください。
また、妊娠検査薬はhCGの分泌量が少なくても多すぎても正確に判定できないことがあります。
妊娠3か月頃にはhCGの分泌量がピークになりますので、分泌量が多すぎて妊娠検査薬の判定は陰性となる可能性があります。
異常妊娠や胎児異常の場合、タイミングによっては陽性にも陰性にもなります。
妊娠検査薬では陰性だったのにその後生理が始まらない場合は、再検査をするか医師に相談してください。
判定の線が薄い。妊娠しているのか?
妊娠検査薬の陽性のラインがうっすらとしか出なかった場合、これは妊娠していると判定して良いのでしょうか?
妊娠検査薬の説明書によると、色の濃さに関係なく陽性判定の窓にラインが出れば陽性と判定してよいとのことです。
つまり、妊娠検査薬の陽性の線が濃くても薄くても、線がでれば陽性(妊娠の可能性あり)ということです。
線がうっすらとしか出ないのは、hCGの分泌量がまだ少ないか、尿の量が足りなかった可能性があります。
その他に判定に迷うほど線が不明瞭なこともありますが、この場合は4~5日程度待って再度検査を行ってみてください。
いずれの場合でも、産婦人科を受診できる時期になったら医師にみてもらうのがよいでしょう。
薬による妊娠検査薬への影響
薬を飲んでいると妊娠検査薬の判定に何か影響があるのでしょうか?
かぜ薬やピルの服用、飲酒は妊娠検査薬の判定に影響しません。
しかし、不妊治療などでhCGが含まれる性腺刺激ホルモン剤の投与を受けている場合は影響が考えられますので、最終投与から2週間以上の間隔を空けて検査をするか、もしくは担当のお医者さまにご相談ください。
なお妊娠の可能性がある場合は飲酒は控え、薬の服用も事前に医師や薬剤師にご相談くださいね。
早期妊娠検査薬
日本製の妊娠検査薬のほとんどは生理開始予定日のおよそ1週間後(妊娠5週目頃)から検査ができますが、中には「早期妊娠検査薬」と呼ばれる、生理予定日(妊娠4週頃)から使えるものもあります。
「早く妊娠判定ができるのならそっちの方がよいのでは?」と思われるかもしれませんが、そうとも言い切れません。
早期妊娠検査薬で陽性の判定が出て喜びすぐに産婦人科を受診しても、正常妊娠かどうか診断できない可能性が高くなります。
産婦人科で行う「正常妊娠」の診断には、胎児が入る「胎のう」と「心拍」の確認が必要です。
「胎のう」を超音波検査で確認できるのは妊娠5週頃で、「心拍」が確認できるのは妊娠6週頃です。
つまり、早期妊娠検査薬を使って妊娠4週目頃に陽性の結果が出たとしても、産婦人科で正常妊娠と確認ができるようになるまでそこからさらに1~2週間ほどは待たなければならず、結局は普通の妊娠検査薬を使った場合と同じになります。
日本製の早期妊娠検査薬は第1類医薬品に分類されているため、薬剤師のいる薬局でしか購入できないうえに値段も高めです。
早期妊娠検査薬を使っても普通の妊娠検査薬を使っても、正常妊娠と診断できるタイミングは変わりませんので、特別に何か理由のある方以外は普通の妊娠検査薬でよいのではないかと思います。
値段と買える場所
妊娠検査薬はドラッグストアやネットショップなどで購入が可能です。
1回分で500円程度から、2回分がセットになったもので800円程度から購入できます。
海外製の早期妊娠検査薬はネットショップで購入できることもありますが、1回分での販売があまりなく、数回分がセットになって2,000円程度から販売があります。
陽性だったら?次のステップ
妊娠検査薬で陽性の判定が出た場合ほぼ妊娠は確定ですが、子宮外妊娠でも陽性反応が出ますし、気づかないうちに流産してしまっていることもあります。
陽性の判定が出たら、正常な妊娠か確認するために早めに病産院を受診しましょう。
病産院では尿検査だけではなく、内診や超音波検査などでも検査を行います。
受診の際は生理周期や流死産の有無、家族歴などを聞かれますので事前に確認しておくとスムーズです。
万が一望まない妊娠だったとしても、まずは母体とお腹の赤ちゃんの状態を確認し、その後の対応を決めなければなりませんので、妊娠検査薬が陽性だったらまずは病産院を受診しましょう。
妊娠が確定したら知っておきたいNIPT
お腹の赤ちゃんにダウン症などの染色体異常がある可能性を調べる検査として「新型出生前診断(NIPT)」があります。
すべての先天性疾患が分かるわけではありませんが、羊水検査のように子宮に針を刺すわけではなく、妊婦さんの腕からの採血のみで検査ができますので流産リスクはありません。
ダウン症を含む染色体異常の一部は、母体年齢が上がる高齢出産で頻度が高くなることが知られています。
NIPTは妊娠10週~16週ごろまでの検査です。
検査自体は簡単ですが、受けるかどうかは多くの人が悩む問題ですので、妊娠が確定したら早めにご検討することをおすすめします。
まとめ
妊娠検査薬を使うタイミングとしては、「次の生理開始日から約1週間後」「前回の生理開始日から約5週間後」「セックスした日から約3週間後」が目安です。
ただし生理周期が極端に長い人や短い人、生理不順がある人は思った以上にズレていることもありますので、妊娠検査薬が陰性だったとしても生理がなかなかこない場合は早めに医師にご相談くださいね。
【参考】