
妊娠を待ち望んでいるカップルにとって、妊娠したかも?と思ったら一刻でも早く妊娠検査薬で確かめたいですよね。
生理の遅れや体調の変化で妊娠したかも?と気づくことが多いですが、早い人だと妊娠検査薬の使用推奨時期より前の、妊娠超初期にその変化を感じることがあります。
妊娠検査薬を使うタイミングが早すぎると、陽性反応がうっすらとしか出なかったりと判断に迷うこともあります。
ここでは、妊娠検査薬が反応するタイミングや、妊娠検査薬の使い方と仕組みなどについてご紹介いたします!
妊娠検査薬はいつから反応する?

妊娠検査薬は国内各メーカーでいろいろな種類がありますが、その仕組みと使えるタイミングはどれも同じです。
妊娠検査薬が反応するのは、次の生理開始予定日の1週間後くらいからです。
生理周期には個人差があるため基本的には月経周期28日で計算していますので、次の生理開始予定日の1週間~10日くらいを目安にするとよいでしょう。
基礎体温のグラフをつけている方は、低温期にならず高温期が続きます。
この場合も、次の生理開始予定日の1週間後くらいを目安にしてください。
次の生理開始予定日がいつか分からない。。。という方は、排卵日ごろにセックスした日から3週間後くらいが目安です。
月経不順で次の生理開始予定日の予測が難しいという方もこちらを参考にするとよいでしょう。
妊娠を希望している女性は生理周期の記録はもちろん基礎体温のグラフもつけていると思いますが、つけていなかった場合でも何となく熱っぽい、だるい、胸が張るなどいつもと違う体調の変化を感じたら妊娠検査薬でチェックしてみてください。
反応がなければ1週間ほど待ってもう一度チェックしてみるとよいかもしれません。
妊娠初期の症状については「コラム:妊娠超初期の症状はいつから出る?」もご参考にしてください。
妊娠検査薬で妊娠が分かる仕組み
女性の身体は、妊娠に備えて毎月子宮内の環境を整え、受精が成立しなければ生理としてリセットされます。
受精卵が着床し妊娠が成立すると、もちろん次の生理はこず女性の身体はお腹の赤ちゃんを育てるための変化が起こります。
受精卵が着床すると胎盤のもととなる絨毛が作られ、胎盤の成長を促進させるhCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが分泌され始めます。
hCGは着床後3~4日後くらいから尿中に出始めます。
妊娠検査薬は、尿中に出てくるこのhCGの濃度を測定することで妊娠の可能性を判定しています。
妊娠検査薬のフライング使用に注意!
妊娠検査薬は次の生理予定日の約1週間後から使用ができます。
妊娠期間は最後の生理がはじまった日を「妊娠0週0日」として計算しますので、生理周期が規則正しい人の場合、次の生理が予定日より1週間遅れた時点で妊娠4週~5週目になっています。
なかには、妊娠超初期の妊娠3週頃から何らかの身体の変化を感じる方もいます。
腰痛や眠気、熱っぽさなど「いつもと何か違う?」と感じると、すぐにでも妊娠検査薬で検査したくなりますよね。
次の生理予定日から1週間が経っていなくても妊娠検査薬は反応するかもしれません。
しかし、人によっては妊娠していても尿中のhCGの量がごく少ないことがまれにあり、1週間が経っていても陰性になることがあります。
妊娠の可能性があり陰性だった場合や判定ラインが不明瞭だった場合、さらに1週間程度待ってもう一度検査をすることになり、妊娠検査薬ももったいないですので、ここははやる気持ちを抑えて生理予定日の1週間後まで待ちましょう。
妊娠検査薬の使い方
妊娠検査薬はだれでも簡単に使えるように作られています。
その多くはスティック状をしており、スティックの所定の部分に尿をかけるか、紙コップに採尿してスティックをつけるかするだけで自宅で検査ができます。
その後数分待つだけで結果がでます。
尿の適正量や詳しい使い方は説明書に記載がありますので、正しく判定するためにきちんと読んで守りましょう。
妊娠検査薬の精度は高いため判定が陽性であれば妊娠している可能性が高いのですが、あくまで妊娠しているかどうかその可能性を知るためのものです。
本当に妊娠が成立しているかの診断はきちんと産婦人科でみてもらう必要があります。
妊娠検査薬で陽性の反応が出た!

妊娠検査薬には判定が出る部分があり、そこに「|」や「+」などのマークがでると陽性=妊娠の可能性があります。
しかし、さきほども出たようにあくまでその可能性が高いという意味です。
また、流産してしまった後や子宮外妊娠などの妊娠が継続できない状態であっても陽性反応がでることがありますので、正常な妊娠かどうかを調べるためにも必ず病院できちんと検査を受けましょう。
妊娠検査薬が陽性だと本当に妊娠している?

妊娠検査薬が陽性であれば本当に妊娠しているのでしょうか?
妊娠していなくても、次のような場合に陽性の結果が出ることがあります。
【妊娠していなくても妊娠検査薬が陽性になる】
- 不妊治療や黄体機能不全の治療のため、性腺刺激ホルモン剤の投与を受けている
- 絨毛性疾患がある(卵巣の絨毛がん、絨毛性上皮腫など)
不妊治療を受けている方は、妊娠検査薬を使う前に担当のお医者さまにご相談ください。
また、絨毛性疾患があると妊娠に関係なくhCGの分泌量が増えます。
正常な妊娠が成立していなくても陽性の結果が出ることがあります。
【妊娠の継続はできないが妊娠検査薬が陽性になる】
- 異所性妊娠
- 流産後
- 胞状奇胎:ほうじょうきたい
赤ちゃんが正常に成長できるのは子宮の中だけですが、それ以外の場所に着床してしまうことを「子宮外妊娠」または「異所性妊娠」といいます。
異所性妊娠は、妊婦さんのおよそ100人に2人の割合で起こります。
異所性妊娠を放置するとママの命にも危険が及ぶ場合がありますので、病院での正しい診断が必要です。
胞状奇胎(ほうじょうきたい)とは、受精がうまくいかなかったことによりおこる異常妊娠の一つで、妊娠の継続はできません。
また、流産してしまった後でも妊娠検査薬では陽性の判定が出ることがあります。
妊娠の可能性がないのに妊娠検査薬を使うことはないと思いますが、閉経期にも妊娠と無関係なhCGが出ているため、陽性になることがあります。
線がうっすらと出る、これって妊娠?

妊娠検査薬の陽性のラインがうっすらとしか出なかった場合、これは妊娠の判定なのか、どっちなのでしょうか?
妊娠検査薬の説明書によると、色の濃さに関係なく陽性判定の窓にラインが出れば陽性と判定してよいとのことです。
つまり、妊娠検査薬の陽性の線が濃くても薄くても、線がでれば陽性(妊娠の可能性あり)ということです。
線がうっすらとしか出ないのは、hCGの分泌量がまだ少ないか、尿の量が足りなかった可能性があります。
その他に判定に迷うほど線が不明瞭なこともありますが、この場合は4~5日程度待って再度検査を行ってみてください。
いずれの場合でも、産婦人科を受診できる時期になったら医師にみてもらうのがよいでしょう。
妊娠検査薬が陰性だと本当に妊娠していない?
妊娠検査薬で何の反応もない場合、本当に妊娠していないといえるのでしょうか?
次の生理予定日あたりになっても生理がこないのに、妊娠検査薬が陰性になるのは次のような理由が考えられます。
【次の生理がこないのに妊娠検査薬も陰性】
- 生理の周期が不規則である
- 思い違いで生理予定日の計算を間違えた
- 異常妊娠である(子宮外妊娠など)
- 胎児異常である(胎児死亡、けい留流産など)
- 胞状奇胎などにより大量のhCGが分泌された
- 妊娠の経過により尿中hCG量が多くなりすぎた
妊娠検査薬の反応が「陰性」だったとしても、タイミングが早すぎるとホルモンの分泌量が少なく正しく判定できなかっただけで、実は妊娠していたという可能性はあります。
特に生理周期が不規則な人の場合、思った以上にズレていることがあります。
その場合は数日~1週間程度待ってからもう一度検査をしてみてください。
また、妊娠検査薬はhCGの分泌量が少なくても多すぎても正確に判定できないことがあります。
妊娠3か月頃にはhCGの分泌量がピークになりますので、分泌量が多すぎて妊娠検査薬の判定は陰性となる可能性があります。
異常妊娠や胎児異常の場合、タイミングによっては陽性にも陰性にもなります。
妊娠検査薬では陰性だったのにその後生理が始まらない場合は、再検査をするか医師に相談してください。
薬による妊娠検査薬への影響
薬を飲んでいると妊娠検査薬の判定に何か影響があるのでしょうか?
かぜ薬やピルの服用、飲酒は妊娠検査薬の判定に影響しません。
しかし、不妊治療などでhCGが含まれる性腺刺激ホルモン剤の投与を受けている場合は影響が考えられますので、最終投与から2週間以上の間隔を空けて検査をするか、もしくは担当のお医者さまにご相談ください。
妊娠検査薬の早期に使えるタイプ
日本製の妊娠検査薬のほとんどは生理開始予定日のおよそ1週間後(妊娠4~5週目)から検査ができますが、海外製の妊娠検査薬の中には「早期妊娠検査薬」と呼ばれる、妊娠超初期である妊娠3週目頃から使えるものもあり、ネットショップなどで購入ができます。
「早く妊娠判定ができるのならそっちの方がよいのでは?」と思われるかもしれませんが、そうとも言い切れません。
早期妊娠検査薬で陽性の判定が出て喜びすぐに産婦人科を受診しても、正常妊娠かどうか診断できない可能性が高くなります。
産婦人科で行う「正常妊娠」の診断には、胎児が入る「胎のう」と「心拍」の確認が必要です。
「胎のう」を超音波検査で確認できるのは妊娠5週頃で、「心拍」が確認できるのは妊娠6週頃です。
つまり、早期妊娠検査薬を使って妊娠3週目頃に陽性の結果が出たとしても、産婦人科で正常妊娠と確認ができるようになるまでそこからさらに1~2週間ほどは待たなければならず、結局は普通の妊娠検査薬を使った場合と同じになります。
日本製の早期妊娠検査薬は第1類医薬品に分類されているため、薬剤師のいる薬局でしか購入できないうえに値段も高めです。
早期妊娠検査薬を使っても普通の妊娠検査薬を使っても、正常妊娠と診断できるタイミングは変わりませんので、特別に何か理由のある方以外は普通の妊娠検査薬でよいのではないかと思います。
妊娠検査薬の値段

妊娠検査薬はドラッグストアやネットショップなどで購入が可能です。
1回分で500円程度から、2回分がセットになったもので800円程度から購入できます。
早期妊娠検査薬はネットショップで購入できることもありますが、その場合でも薬剤師による確認が必要です。
1回分での販売があまりないようで、数回分がセットになって2,000円程度から販売があります。
産婦人科を受診するタイミング
妊娠検査薬で陽性の判定が出た場合、すぐにでも産婦人科へ行きたいですね。
産婦人科を受診するタイミングは、次の生理予定日の1~2週間後が目安です。
尿検査だけでなく、内診や超音波検査などで正常な妊娠かを診断します。
妊娠検査では、生理周期や流死産の有無、家族歴などを聞かれますので事前に用意しておくとスムーズです。
妊娠検査では異所性妊娠や胞状奇胎といった異常妊娠も早期に発見できるため受診は必須ですが、受診が早すぎると正しく診断できないこともありますので、次の生理予定日の1~2週間後を目安としてください。
まとめ

特に初めての妊娠の場合、不安とわくわくで早く妊娠したか知りたくなるものですが、妊娠検査薬には適切な使用のタイミングがあります。
妊娠検査薬のフライングでの使用に注意して、焦らずにできるだけ心を穏やかにして待ちましょう。
不安なことや心配なこともたくさんあると思いますが、安心して妊娠・出産に望めるよう、気になることは書き留めておいて、妊娠検査のときにお医者さまにご相談してくださいね。