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妊娠糖尿病になりやすい人の特徴とおなかの赤ちゃんへの影響

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author:DNAサイエンス

妊娠中におこりやすいトラブルの一つに妊娠糖尿病がありますが、「妊娠前に糖尿病とは無縁だったから関係ない、、、」と安心はできません。

妊娠するとインスリンの利きが悪くなりだれでも血糖値があがりやすくなりますが、その中でも妊娠糖尿病になりやすい人の特徴というのがあります。

血糖値が高くても初期は自覚症状がありませんが、悪化すると妊婦さんはもちろんおなかの赤ちゃんにもさまざな影響が及ぶ可能性があります。

ここでは妊娠糖尿病の原因や症状など、さまざまな疑問点についてご紹介しています。

「妊娠前は正常値だった」というのがポイントで、妊娠前から糖尿病だった人や、妊娠前には糖尿病だと気づいていなかったとしても「知らなかっただけできっと糖尿病だった」という人は含めません。

自覚症状は基本的にありませんが、糖代謝異常が進行すると流産や早産の原因になる、帝王切開になる、生まれた後の赤ちゃんの健康にまで影響するなどさまざまな問題がおこる可能性があるため、妊娠中の血糖値をコントロールすることが重要になります。

「糖尿病なんて、太っている人とか甘いものばかり食べている人がなるんでしょ?私は関係ないわ」と思われる方も多いと思いますが、妊娠糖尿病は約8人に1人の妊婦さんがなるといわれており、だれにでもその可能性があります。

妊娠中の糖尿病には3種類あります。

【妊娠中の糖尿病の種類】

  • 妊娠糖尿病
  • 妊娠中の明らかな糖尿病
  • 糖尿病合併妊娠

妊娠してから初めて指摘された糖代謝異常で、血糖値が高めだけれども糖尿病ほどではない場合を「妊娠糖尿病」といいます。

「妊娠中の明らかな糖尿病」は、妊娠前に糖尿病と診断されてはいなかったけれども糖尿病の診断基準を満たすと妊娠中に判明した場合をいいます。

これは、妊娠前から糖尿病だった場合と、妊娠中に糖代謝異常が悪化した場合が含まれますので、出産後に再度評価を行う必要があります。

妊娠前から糖尿病だった人や、糖尿病だと診断はされていないけれども糖尿病の重い合併症(糖尿病網膜症)がある場合は「糖尿病合併妊娠」とし、より厳密な管理が必要となります。

なぜ妊娠糖尿病になる?

糖尿病とは、インスリンのはたらきが不十分になり血糖値が高くなっている状態です。

食事をすると吸収された栄養の一部は糖となり血液中に増えますが、その血糖値が上がりすぎないようにコントロールしているのが、膵臓から分泌されるホルモンである「インスリン」です。

インスリンは血糖を下げるはたらきがあります。

妊娠すると、胎盤から分泌されるホルモンの影響でインスリンの効きが悪くなります。

胎盤が完成する妊娠16週ごろからはインスリンの分泌量を増やしても血糖値が下がりづらくなるため、だれでも妊娠中は血糖値が上がりやすい状態となっています。

特に妊娠後期になるにつれてその傾向が強くなるため、妊娠週数が進むにつれて妊娠糖尿病になりやすくなるため出産まで気が抜けません。

血糖値の正常範囲

妊娠糖尿病は糖尿病ほど血糖値が高いわけではありませんが、インスリンの効きが悪く血糖値が高めの状態が続いています。

血糖値は食事をすると上がりますので、健康な人でも一日の中で増減があります。

正常範囲の血糖値はどれくらいなのでしょうか?

【血糖値の正常範囲】

空腹時血糖   100mg/dL未満

食後1時間血糖   140mg/dL未満

HbA1c      4.3-5.5%

血糖値は空腹時と食後で正常範囲が異なり、空腹時が最も低く食後は高くなります。

HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)とは、過去1~2ヶ月の血糖値の平均を表す指標のことで、血糖コントロールの状態を知るのに役立ちます。

妊娠糖尿病の診断基準

以下の条件を満たすと妊娠糖尿病だと診断されます。

【妊娠糖尿病の診断基準】

75gブドウ糖負荷試験でいずれか1つでも満たせば妊娠糖尿病と診断する

・空腹時血糖値 92mg/dl以上

・1時間後の血糖値 180mg/dl以上

・2時間後の血糖値 153mg/dl以上

妊娠の初期に随時血糖を測り、高かった場合に診断のためにブドウ糖負荷試験を行います。

随時血糖とは、食事の時間に関係なく測定した血糖値のことです。

75gブドウ糖負荷試験とは、75gのブドウ糖で負荷をかけた後に血糖値と血中インスリンの推移をみる検査のことです。

妊娠初期には問題がなかった人でも、妊娠週数が進むと妊娠糖尿病になりやすいため妊娠中期にもスクリーニング検査を行います。

次の条件を満たすと妊娠中にはじめて指摘された糖代謝異常でも、「妊娠中の明らかな糖尿病」と診断されます。

【妊娠中の明らかな糖尿病の診断基準】

いずれかを満たせば妊娠中の明らかな糖尿病と診断する

・空腹時血糖値 126mg/dl以上

・HbA1c    6.5%以上

妊娠中は妊娠前と比べて血糖値が上がりやすいため、非妊娠時の糖尿病の診断基準をそのまま当てはめることはできません。

妊娠中の明らかな糖尿病がある場合は、出産後に改めて評価をしなおす必要があります。

さらに、上記条件に加えて次のものがあると「糖尿病合併妊娠」と診断されます。

【糖尿病合併妊娠】

・妊娠前にすでに診断されている糖尿病

・確実な糖尿病網膜症があるもの

妊娠糖尿病の合併症

妊娠糖尿病は血糖値が高い状態ですが自覚症状はありません。

ですが、血糖値が高い状態が続くと血管がもろくなりやすくなり、ママの体だけではなくおなかの赤ちゃんの健康や、出産にも影響を及ぼすことがあります。

高血糖状態では特に細い血管が集まる臓器に影響が出やすく、網膜や腎臓、胎盤などが要注意です。

ママの血糖値が高いとおなかの赤ちゃんも血糖値が高くなります。

しかしママの高血糖はインスリン療法によって下げることができますが、インスリンは胎盤を通過できないためおなかの赤ちゃんまで届きません。

そのため、ママの血糖値を適切にコントロールし合併症を防ぐことが大切です。

妊娠中に血糖値が高い状態が続くと、以下のような合併症がおこる可能性があります。

ママへの影響

血糖値が高い状態が続くと、網膜症や腎症などママの体に影響が出るだけではなく、流産や早産の原因になったり、帝王切開になる確率が上がるなど妊娠中や出産時のリスクが高くなります。

【妊娠糖尿病のママへの影響】

  • 妊娠高血圧症候群
  • 網膜症
  • 腎症
  • 羊水過多
  • 流産
  • 早産
  • 難産
  • 帝王切開

網膜は細い血管がたくさん集まっているため、血管がもろくなると出血しやすく視力が低下したり進行すると失明にいたることもあります。

腎臓は血管が多く集まっており、血管がもろくなると腎臓のろ過機能が低下し尿タンパクが出たり、血圧が高くなったりむくみやすくなったりします。

ママの血糖値が高いとおなかの赤ちゃんの成長が促進されて巨大児になりやすく、難産になったりそれを避けるために帝王切開を選択する確率が高くなったりします。

胎児への影響

ママの高血糖状態はそのまま胎児へと影響します。

特に胎児の体が作られる重要な時期である妊娠初期にママが高血糖だった場合、心奇形などの先天奇形や流産がおこる確率が高くなります。

【妊娠糖尿病のおなかの赤ちゃんへの影響】

  • 巨大児
  • 胎児発育不全
  • 先天奇形
  • 胎児死亡

ママの血糖値が高い状態が続くとおなかの赤ちゃんの成長も促進されて体が大きくなり巨大児になりやすくなります。

一方で体が大きい割に臓器が未熟なまま生まれる傾向があり、肺の機能が弱く呼吸障害などがおこる確率が高くなります。

胎盤には血管がたくさん集まっているため、高血糖によって胎盤がもろくなるとおなかの赤ちゃんへ十分な栄養や酸素などが行きわたらず発育不全になることもあります。

妊娠初期に高血糖だった場合に胎児に先天奇形がおこりやすくなりますが、これは妊娠前から糖尿病もしくはそれに近い状態だった可能性が高いと考えられます。

【生まれてからの赤ちゃんへの影響】

  • 新生児低血糖
  • 高ビリルビン血症
  • 低カルシウム血症
  • 呼吸障害
  • 将来の肥満や糖尿病

ママのおなかの中にいるときに赤ちゃん自身も血糖を下げるためにインスリンをたくさん分泌していたので、生まれた後に血糖が下がりすぎて低血糖状態におちいってしまったり、低カルシウム血症などになりやすくなります。

また妊娠糖尿病のママから生まれた赤ちゃんは、成人後に肥満や糖尿病などの生活習慣病になりやすいといわれています。

妊娠糖尿病になりやすい人の特徴

妊娠するとだれでも妊娠糖尿病になる可能性はありますが、特になりやすい人の特徴があります。

【妊娠糖尿病になりやすい人の特徴】

  • 妊娠前から肥満(BMI25以上)がある
  • 家族に糖尿病の人がいる
  • 尿糖の陽性が続いている
  • 以前に巨大児の分娩歴がある
  • 以前い流産・早産・死産の経験がある
  • 35歳以上の高齢出産である

妊娠前から肥満であったり近親者に糖尿病の人がいる場合は妊娠糖尿病になりやすいことが報告されています。

高齢妊娠・高齢出産の場合は血管が老化し始めているため注意が必要です。

上記の特徴に当てはまるすべての人が妊娠糖尿病になるわけではありませんが、リスクが高いということを知り気を付けて妊娠中の生活を送る必要があります。

治療方法:食事療法

妊娠糖尿病の治療では血糖コントロールのための食事療法をメインとして、状況によって運動療法や薬物療法なども行っていきます。

【妊娠糖尿病の食事療法のポイント】

  • 主食を中心に適正なエネルギーをとる
  • バランスの良い食事を
  • カルシウム、鉄の多い食品をとる
  • 規則正しい食事を
  • ゆっくり噛んで食べる
  • 体重増加は望ましい速度で

食事療法は食事を制限することとイコールではありません。

適正なエネルギー量は確保してママの健康と赤ちゃんの成長に必要な栄養をとり、食事のバランスを整えることで血糖値をコントロールしていきます。

同じエネルギー摂取量でも、お菓子や炭水化物ばかりの食事と、タンパク質やビタミン、ミネラルなどをしっかりと摂る食事とでは内容が全く違います。

妊娠中は特に不足しがちなカルシウムや鉄を多く含む食品を意識して取り入れて、バランスの良い食事を心がけましょう。

ゆっくり噛んで食べることで血糖値の上昇をゆるやかにするだけでなく、満腹感を得やすくなり食べ過ぎ防止にもつながります。

また、空腹時間が長すぎると食事をした際に急激に血糖値が上がりやすくなります。

3食規則正しい時間に食べる、もしくは一度に食べる量を減らして6回に分けて食事を摂ると血糖値の上昇をゆるやかにすることができます。

食事は3食にこだわらず、間食として少量の無塩ナッツや小魚、ヨーグルトなどをうまく取り入れて工夫ができるとよいですね。

運動療法

妊娠中もウォーキングやマタニティヨガなどの軽い有酸素運動が推奨されていますが、妊娠糖尿病と診断された場合には不適切な運動は逆効果ですので、必ず主治医へご相談ください。

特に、インスリンによる治療を行っている場合は低血糖になりやすいため食前食後は避けるなど運動のタイミングにも気を配る必要があります。

薬物療法

食事療法のみでは血糖値のコントロールが難しい場合にインスリンによる薬物療法を行っていきます。

飲み薬は胎盤を通しておなかの赤ちゃんに影響を及ぼす可能性がありますので、注射によりインスリンを投与していきます。

ママがインスリン治療を行っていても、インスリンは胎盤を通過しないためおなかの赤ちゃんが低血糖になる心配はありません。

低血糖に注意!

インスリン治療は高い血糖値を是正するために行いますが、食事や生活のタイミングなどによっては血糖が必要以上に下がりすぎてしまい低血糖に陥ってしまうことがあります。

低血糖の初期症状としては変な汗をかいたり手足の震え、どきどきと動悸がしたり、異常な空腹感を覚えたりします。

このタイミングでいち早くブドウ糖を摂取することで悪化を防ぐことができますが、何も対応しないでいると体に力が入らなくなり意識障害などを引き起こすおそれがあります。

出産後の回復

妊娠糖尿病は妊娠が原因で血糖値が高くなっている状態ですので、出産後は正常な血糖に戻ることがほとんどです。

ただし出産後に血糖が正常値に戻っていても、妊娠糖尿病になったことがある人はそうでない人と比べて将来糖尿病になる確率が約7倍になるともいわれていますので、生活習慣や食事などに気を付けながら、定期的な検診で早期発見に努めることが大切です。

また母乳で育った赤ちゃんの方が免疫力が高まることは知られていますが、ママにも良い影響があります。

母乳育児をすることでエネルギー消費量が増え、インスリン分泌が改善して糖尿病になるリスクが低下します。

まとめ

だれでも妊娠糖尿病になる可能性はあり、約8人に1人の妊婦さんがなるといわれていますが、適切に血糖値をコントロールすることによって合併症を防ぐことができます。

妊娠糖尿病やその合併症は妊娠の経過や出産に影響するだけでなく、ママや生まれた赤ちゃんの将来の糖尿病発症にも関係するため、食事や生活習慣などに気を付けつつもストレスをためないようにして、健やかなマタニティライフを送ってくださいね。


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