妊娠線は妊娠すると必ずできるわけではありませんが、痛みを伴わないため気が付いたら見えない場所に出来てしまっていた。。。ということがおこります。
肉割れ線の一種である妊娠線は、一度できてしまうと消すことができません。
ここでは、妊娠線はいつからできるのか?できやすい人の特徴やその予防方法などについてご紹介しています。
妊娠線とは
妊娠線とは、妊娠中の急激な体型変化などでおこる肉割れ線のことをいいます。
妊娠にかかわらず男女ともに急激に体重が増えるなどの体型の変化があると皮膚の表面に肉割れ線と呼ばれる縞模様のような線があらわれることがありますが、妊娠中はとくにそれが起こりやすくなります。
はじめは赤紫色や赤みのある線があらわれ、だんだんと赤黒くなって最終的に白っぽい色に変化します。
出産後はだんだん目立ちにくくなるものの、一度できてしまった妊娠線は完全には消えないため早めのケアが重要です。
できやすい場所
妊娠線ができる場所というとお腹が真っ先にイメージに浮かぶのではないかと思いますが、そのほかにも脂肪がつきやすいところにはできやすく全身のケアが必要です。
【妊娠線ができやすい場所】
- おなか
- 胸
- 二の腕
- わきの下
- 背中
- おしり
- 足の付け根
- 太もも
おなかや胸など見える範囲は意識がいくためケアしやすい部位ですが、わきの下や背中なんてところも脂肪がつきやすく妊娠線ができやすいため意識してケアするとよいでしょう。
でき始めるのはいつ?
妊娠線はいつ頃からでき始めるのでしょうか?
体型の変化が大きいとできやすいため、おなかの赤ちゃんがぐんぐん成長する妊娠中期以降や、つわりが落ち着いて食欲が増す時期が要注意です。
妊娠中期の始まりは妊娠5ヶ月にあたり、ママの体つきが全体的にふっくらとしおなかも目立ち始める頃です。
つわりが落ち着くのは早い人で妊娠3ヶ月頃、多くの人が落ち着くのは妊娠4ヶ月頃です。
ですので、人によっては妊娠初期から妊娠線ができてしまうこともあります。
なぜできる?
妊娠線ができる原因は体型の急な変化のほか、ホルモンも影響しています。
【妊娠線ができる原因】
- 体型の急な変化
- 妊娠によって増えるホルモンの影
急な体型の変化によって皮膚が引き延ばされると妊娠線ができてしまいます。
皮膚は外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」という3層構造で成り立っており、一番表面の「表皮」は伸びやすく体型に合わせて変化します。
一方でその下の「真皮」は柔軟性が高くないため伸びにくく、表皮の伸びに追いつけず裂けてしまうため、しましま模様のような線ができてしまうのです。
胎児の成長によって急におなかが大きくなると、皮膚が引っ張られて真皮が表皮の伸びに追いつけず裂けてしまいます。
おなか以外の場所でも、妊娠によって蓄えられる皮下脂肪は「皮下組織」につくため、皮下組織に脂肪が蓄えられて膨張するとそれに真皮の伸びが追いつかず裂けてしまいます。
また、妊娠によって分泌量が増える「コルチコステロイド」というホルモンも影響します。
このホルモンはコラーゲンの生成や肌のターンオーバーを抑えるはたらきがあるため、肌の弾力が低下し皮膚の代謝も遅らせてしまいます。
妊娠中は体重の増減に関わらず、肌の基礎能力が低下しているため妊娠していない時よりも肉割れしやすい状態になっています。
できやすい人の特徴!
妊娠すると必ずできるものではありませんが、上記のように妊娠中は妊娠線ができやすい条件が揃っています。
その中でも次のような人は特に妊娠線ができやすいと言えます。
【妊娠線ができやすい人の特徴】
- 乾燥肌
- 小柄、やせ型
- 高齢出産
- 経産婦
- 多胎妊娠
- 急激な体重増加
肌の弾力や再生能力の低下、体型の変化率が大きい場合は要注意です。
乾燥肌
もともと乾燥肌の人はもちろん、冬など乾燥する季節は妊娠線ができやすくなります。
さらに妊娠中はホルモンバランスの変化で肌が乾燥しやすいため、妊娠中の乾燥対策は必須です。
小柄、やせ型
体格が小柄であったり妊娠前がやせ型のママは、もとの体の表面積が小さいため妊娠後の変化が大きく影響を受けやすくなります。
高齢出産
35歳以上で初めて出産することを高齢出産と言いますが、だんだんと肌の柔軟性が落ちてきていると妊娠線ができやすくなってきます。
経産婦
出産を経験したことのある経産婦は、初産の場合と比べて子宮や皮膚が伸びやすくおなかが大きくなるスピードが速いため妊娠線ができやすい傾向にあります。
多胎妊娠
双子以上の赤ちゃんを妊娠する「多胎妊娠」では、一人の場合と比べてよりお腹は大きくなり皮膚が引き伸ばされますので、妊娠線ができやすくなります。
急激な体重増加
適度なペースでの体重増加は妊娠において必要なことですが、食べづわりやつわりが終わった後の食欲が増しやすい時期は注意が必要です。
予防のポイント!
妊娠線ができないようにするためにはどうすればよいのでしょうか?
【妊娠線予防のポイント!】
- 妊娠初期からのケアを!
- 体重管理
- 保湿ケア
- 栄養バランス
妊娠線予防のためには、保湿などの外面のケアはもちろん、内面のケアと早い時期からの対策を行なっていきましょう。
妊娠初期からのケアを!
妊娠線ができやすいのはおなかが大きくなり始める妊娠中期の妊娠5ヶ月頃からですが、早い人は妊娠初期からできてしまいますので、早めにケアを始めたいところです。
「おなかが大きくなってきたらケアをしようかな。。。」と思っていると、いつの間にか妊娠線が出来てしまっていたという事態になりかねません。
妊娠初期からケアを習慣化できると良いですね。
とはいっても妊娠初期はつわりで日常生活を送るのも大変なこともありますので、もちろんまずは体調を優先してくださいね。
体重管理
妊娠中の適切な体重増加はおなかの赤ちゃんのためにもママのためにも重要なことですが、必要以上に増えてしまうと妊娠糖尿病などのリスクだけでなく、巨大児で生まれたり赤ちゃんの将来における生活習慣病発症にかかわることが報告されています。
このように一気に体重が増えてしまうと妊娠線の原因となるだけでなく、母子ともに悪影響がでる可能性があります。
妊娠中の体重増加推奨量は妊娠前の体格(BMI)によって異なりますが、妊娠前が「ふつう(BMI:18.5~25.0未満)」だった場合、妊娠前と比べて必要なエネルギーは次のように推奨されます。
【妊娠前より一日に多く必要なエネルギー量】
- 妊娠初期 +50キロカロリー
- 妊娠中期 +250キロカロリー
- 妊娠後期 +450キロカロリー
妊娠初期は胎児が小さいためまだそれほど多くのエネルギーを必要としませんが、つわりが落ち着いた頃は食欲が増して体重がふえがちなので注意が必要です。
急激な体重増加を防ぐためには毎日体重を測りましょう。
日々の変化を追うというよりは、数日単位で調整できるとよいですね。
最近では、体重管理ができるアプリなどもありますので活用するとよいでしょう。
保湿ケア
妊娠線は全身のどこでもできる可能性があるため、普段は膝や肘など限られた部位しか保湿をしない方も「妊娠線ができやすい場所」を意識しながらケアをするようにしましょう。
保湿にはクリームタイプやオイルタイプなどがありますが、どちらでもかまいませんので季節やお好みに合わせて使い分けましょう。
やさしくマッサージするように保湿するとリラックス効果も期待でき一石二鳥です。
乾燥する冬の季節は保湿を意識しやすいと思いますが、妊娠中はホルモンの影響で肌が乾燥しやすくなっていますので夏もしっかりケアをしましょう。
栄養バランス
バランスの良い食事を摂ることも、肌のうるおいを保ち再生能力を高めるために大切です。
食事はごはんやパンなどの主食を中心に、肉や魚などのタンパク質をそろえて、野菜やいも、豆類、きのこや海藻など不足しがちなビタミンやミネラルを副菜でたっぷりと摂りましょう。
「美肌のためには緑黄色野菜でビタミンCやAをとらなければ」と意識される方は多いと思いますが、豚肉などに多く含まれるビタミンB群などと一緒にとることで効率よく吸収することができます。
日本の食卓でよく言われる「一汁三菜」は美肌のためにも効果的な食事です。
内面からもしっかりケアしていきたいですね。
妊娠線と間違いやすい!正中線って?
正中線(せいちゅうせん)とは、おなかのおへそからまっすぐ下に向かって伸びる線のことをいいます。
妊娠中に多くの妊婦さんにみられるため妊娠線と間違いがちですが、正中線は産後には自然と消えていくのが特徴です。
正中線はもともと誰にでもあるものですが、普段は目立たないため多くの人は気づいていません。
それが妊娠するとメラニン色素が活性化したり、おなかが大きくなることで皮膚が引き伸ばされて目立つようになり線があると認識されるようになります。
妊娠線を消す方法って?
一度できてしまった妊娠線は、残念ながら完全に消すことはできません。
肉割れ線もそうですが、徐々に薄く目立ちにくくはなりますが近くで見るとすぐに分かる程度には残ってしまいます。
妊娠線をつくらないようにすることが一番ですが、もしできてしまってどうしても気になるようならレーザーなどの美容医療で目立たなくする治療を受けることはできます。
まとめ
妊娠線はできてしまうと完全に消すことは難しいので、早めからの対策が重要です。
妊娠中にずっと気をつけていても出産直前でもう大丈夫だろうと思っていたら出来てしまった、という方もいらっしゃいますので、しっかりケアを続けたいですね。