「子どもが1人では寂しい思いをさせるかもしれないので2人目の子どもが欲しい」、「兄弟をつくってあげたい」と考えるご夫婦は多いのではないでしょうか。
歳の近い兄弟だと一緒にいっぱい遊べそうですし、歳が離れた兄弟というのも親子みたいな感じでいいですよね。
それぞれどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
ここでは2人目の妊娠のタイミングを考える際のポイントと、上の子への影響などについてご紹介いたします。
2人目の妊娠のタイミングを考えるポイント
計画的に2人目を妊娠したい場合、以下のいくつかのポイントを考慮すると良いでしょう。
【2人目の妊娠のタイミングを考えるポイント】
- 上の子との年齢差
- 夫婦の年齢
- 育休期間
まずはもちろん第1子出産からの身体の回復が最優先で、適切な食事、ストレスの管理などを心がけましょう。
最終的にはご自身やご家族の状況と、自分たちのライフスタイルや価値観に基づいて2人目の妊娠を考えることが大切です。
上の子との年齢差
上の子との年齢差で計画的に子どもをもうけたいと思ったとき、一番良いのは何歳差なのでしょうか?
おおまかに「年子」「2~3歳差」「それ以上(5歳以上差)」に分けられます。
それぞれメリットとデメリットがありますが、最終的にどのくらいの年齢差が良いかは、ご家族のライフスタイルや環境、希望などによって異なります。
年子
年子のメリットとしては以下が挙げられます。
【年子のメリット】
- 子ども同士の親近感が強くなりやすい
- 同じような遊びや興味を共有しやすい
- 一度に子育ての大変な時期が終わる
- 上の子のベビー用品をすぐに下の子に使える
- 保育園や学校の行事のスケジュールが近いため親の手間が減りやすい
子ども同士の年齢が近いと一緒に遊びやすく、大きくなってからもお互いに悩みを相談し合ったりと親友のような関係でいられるかもしれません。
一方で、以下のような大変さが考えられます。
【年子のデメリット】
- 連続して乳幼児の子育てをしなければならないため、親の体力や精神的負担が大きい
- 同時に二人の子どもの要求に応じるのが大変
- 費用の面で続けて子どもの出費がかさむ
2~3歳差
きょうだいの年齢差が2~3歳の場合、お兄ちゃんお姉ちゃんとして下の子の面倒を見てくれやすい、一緒に遊びやすいといった良い面があります。
【2~3歳差のメリット】
- 歳が近いので一緒に遊びやすい
- 上の子が下の子の面倒を見てくれやすい
- 上の子の子育ての経験を活かしやすい
- 同じ中学や高校なら学校行事を一緒に済ませやすい
【2~3歳差のデメリット】
- 学校行事のスケジュールが異なる場合、親の手間が増えることも
- 下の子が上の子のおさがりばかりになりがち
5歳以上差
きょうだいの年齢差が5歳以上ある場合、親代わりに下の子を可愛がって面倒を見てくれる可能性があります。
下の子を子育てするのにも、上の子が頼りになるかもしれません。
【5歳差以上のメリット】
- 上の子がある程度自分のことは自分でできるので、妊娠中に手がかからない
- 上の子が親代わりとして下の子の面倒をよく見てくれる可能性がある
【5歳差以上のデメリット】
- 友達というよりは親に近い感覚で、子ども同士の興味や遊びが大きく異なる場合が多い
- 上の子が手がかからなくなったと思ったのに、再び乳幼児の子育てをするのが大変
- 子育ての期間が長くなる
夫婦の年齢
二人目の子どもを臨む際に、自分たち夫婦の年齢を考慮する必要があります。
30代後半になると妊娠しにくくなる可能性が高まるうえに、ダウン症などの染色体異常のリスクも増加します。
また、「一人目は自然に妊娠できたから二人目はいつでも大丈夫」と思っていると二人目不妊でなかなか妊娠しないということも起こり得ます。
出産年齢が上がれば上がるほど、子どもが成人する頃の自分たちの健康や体力を気にしなければなりません。
二人目がほしいと思ったときの年齢が高い場合は、すぐに行動した方が良いかもしれません。
育休期間
育休(育児休業)は雇用保険に加入している場合、原則として子どもが満1歳になるまで取得することができます。
その間は無給ですが、育休後に仕事に復帰するママ(パパ)を対象に一定の条件を満たせば「育児休業給付金」がもらえます。
支給額は産前給与の67%~50%です。
育休中に第2子を妊娠した場合、復職せずに連続して育休を取得したり育児休業給付金をもらったりすることができます。
職場の体制によっては「連続して育休を取るのは心苦しい。。。」などもあると思いますが、最大限に制度を活用したいですね。
上の子への影響と妊娠の伝え方
2人目を妊娠すると、上の子にはどのような影響があるでしょうか?
また、妊娠を伝えるタイミングや方法も悩ましいところですね。
愛情を伝える
2人目を妊娠中は、ママの体調変化やママの注意の分散に対して、寂しさや嫉妬を感じることがあります。
今まではママを独り占めしていたのに、自分の立場の変化に対する心配もあるでしょう。
上の子がわがままを言ったり甘えてきたときに「お兄ちゃん・お姉ちゃんになるんだから。。。」と我慢を強要せず、スキンシップを多くとったり日頃から愛情を言葉にして伝えるようにして、「あなたのことを見ている。大切に思っている」という気持ちが伝わるようにしましょう。
妊娠をいつ伝える?
上の子に妊娠を伝えるタイミングや方法は家庭の状況や上の子の年齢・性格によっても変わりますが、妊娠初期は流産のリスクがあるため、妊娠12週を過ぎた頃に伝える家庭が多いようです。
突然身の回りに変化が起こると上の子に拒否反応が出てしまうかもしれませんので、ママのお腹が大きくなる前や、新しいベビーグッズを購入する前など、子どもが変化に気づく前に伝えてあげるのがよいかもしれません。
伝え方は上の子の年齢や理解度に合わせて、お腹に手を当てさせながら「ここに赤ちゃんがいるよ」「お兄ちゃん/お姉ちゃんになるんだよ」などとわかりやすく伝えるのがよいでしょう。
その際に、新しい家族が増えることの喜びや、上の子がお兄ちゃん・お姉ちゃんになることの楽しみを強調し、ポジティブな気持ちで伝えましょう。
上の子がどのような反応を示すかは予測が難しいところではありますが、大切なのは子どもの気持ちを大切にしながら、その気持ちを否定せず受け止めて聞いてあげることです。
2人目の妊娠はここが違う!
第2子の妊娠期間中は、前回の経験を活かすことで心にゆとりを持ちやすいことがメリットですが、上の子の年齢によっては自分のことを後回しにしなければならず、体調管理が難しいかもしれません。
第1子の妊娠も第2子の妊娠も、家族やパートナーとのコミュニケーションを大切にし、サポートを受けながらお互いに助け合って乗り越えていくことが大切です。
経験値
すべてが初めての経験で手探り状態だった第1子の妊娠とは違って、今回はその経験値をフルに発揮することができます。
どのような準備が必要なのか等の手順や体調の変化などの予測がつきやすいため、心にもゆとりが生まれやすいことでしょう。
とは言っても、つわりや胎動など妊娠の経過は同一の女性であっても常に一定ではありませんので、無理は禁物です。
子育てしながらの妊娠生活
第2子の妊娠は上の子の世話をしながらなので自分の体調を最優先にできないことも多く、体力的にも精神的にも大きな負担がかかることがあります。
特に、つわりや体調の変化が大きい妊娠初期・中期は、日常の家事や仕事に加え上の子の世話と、自分ひとりではツラく感じることもあるでしょう。
旦那さんや同居のご家族など、周囲と協力し合うことが大切です。
2人目妊娠中にやっておくこと
新生児を含む二人の子どもの世話をしながら日常生活を送ることは想像以上に大変なことです。
2人目を出産する前に、できることをやっておきましょう。
家族の役割分担をしておく
生まれた後のことをシュミレーションして、いつ、誰が、何をするのか役割分担を家族で話し合っておくとよいでしょう。
出産直後は身体が回復していない中で、2人目の子どもに多くの時間を費やすことが予想されるため、家事の負担を減らすために他の家族と協力することが大切です。
食事作り、洗濯や掃除などの家事はもちろん、子どもたちが突然熱を出すなどの緊急時にどう対応するかを確認しておきましょう。
上の子がどの程度身の回りのことを自分でできる年齢なのかによって状況は異なりますが、「食器は自分で下げる」「ごみ捨てに行く」など、お手伝いできることを増やせるといいですね。
「育児、家事は女性がするもの」なんて慣習は時代遅れです。
男性にも「手伝う」ではなく積極的に役割を買っていただき、協力して子育てに臨みたいですね。
出生前診断
1人目のときは出生前診断を受けていなくても、2人目では検討する夫婦は少なくありません。
出生前診断とは、妊娠中におなかの赤ちゃんについて何らかの先天性の病気がないか調べる検査のことで、羊水検査やNIPTなどが当てはまります。
出産年齢が高くなると胎児に染色体異常が起こる確率が高くなることが知られており、出産後に染色体異常が発覚すると行政や関係団体にサポート体制を教わりにいったり、自宅の環境を整える工事を行ったりしなければならず、上の子の育児をしながらではとても大変な作業になります。
任意の検査のため受ける・受けないは自由です。
NIPTは妊娠16週ごろまでに受けることが推奨されていますので、2人目の妊娠が発覚したら早めに検討することをおすすめします。
まとめ
2人目の妊娠のタイミングを考えるポイントをいくつかご紹介しました。
子どもは授かりものと言うように、なかなか計画通りにはいかないかもしれませんが、人生設計を立てる上で「こんなことしたいね」「こんなときどうする」とご家族で話し合っておくことはとても重要です。