初めての妊娠出産では、臨月に出血を確認したとき、「これはおしるし?」と不安になることもあるでしょう。
おしるしは子宮口が開き始めるサインですが、お産まではもう少し時間があります。
このコラムでは、おしるしの特徴や出産までに起こること、おしるし以外での出血の可能性などについてご紹介しています。
おしるしとは
おしるしとは出産がまもなく始まるサインで、おりものに少量の血液が混ざった状態のものです。
お産が近づくと子宮が収縮し子宮口が開き始めるため、卵膜がはがれて出血することがあります。
おしるし自体の痛みはありませんが、タイミングによっては陣痛の痛みがあるかもしれません。
おしるしがあってもすぐに陣痛が始まるとは限らず、数日から1週間以上かかることもあります。
まだ慌てて病院へ行く必要はなく、入院準備の確認をして静かにその時を待ちましょう。
見た目の特徴
おしるしによる出血は生理のときのそれとは色や量、見た目などに違いがあります。
個人差があり、なかにはおしるしがなく陣痛が始まったという人もいます。
おしるしが無くても赤ちゃんに何か影響があるわけではありませんので、お産が始まる一つのサインに過ぎないと考えましょう。
赤やピンク
色はピンクや赤、赤褐色などさまざまです。
新しい血液だけなら赤色に見えるでしょうし、少し時間が経った血液なら赤褐色に、おりものと混ざるとピンク色に見えることもあります。
ただし、サラサラした鮮やかな鮮血だった場合はすぐに病院へ連絡してください。
出血は少量
出血の量もさまざまですが、ナプキンがあれば足りる程度です。
生理の2日目、3日目より多い場合や出血がだらだら続く場合は何らかのトラブルが考えられますのですぐに病院へ連絡してください。
少量の場合は下着に少しつく程度か、気づかないこともあります。
1度の出血量は多くありませんが、複数回あることもあります。
どろっとしている
おしるしはおりものと混ざり、少し粘り気がありどろっとしていることが多く、中にはレバーのような血の塊がでることもあります。
おしるしから出産までの流れ
出産には3つのサインがあります。
【出産のサイン】
- おしるし
- 陣痛
- 破水
おしるしが無いパターンもありますが、おしるし→陣痛→破水がお産が始まる一般的な流れです。
陣痛より先に破水することもあります。
おしるしはお産が近いサインではありますが、おしるしがあってから1週間以上お産が始まらないこともあります。
あくまで目安としてとらえましょう。
お産の本格的な始まりは「陣痛」か「破水」です。
どちらかがあったらすぐに病産院へ連絡して指示に従って行動しましょう。
前駆陣痛
本格的な陣痛の前ぶれとして、不規則なお腹の張りや弱い痛みを感じることがありますが、これを「前駆陣痛」といいます。
子宮の収縮によって起こりますが、まだ子宮口が開いていないことが多いため、この時点で病院へ行ってもとくに出来ることはありません。
前駆陣痛は痛みの間隔や強さが不規則で、歩いたり横になったりすることで、痛みが軽減されることがあります。
痛みはずっと続くわけではなく、おさまってまた痛みがきてを繰り返します。
陣痛
痛みを感じた瞬間から次の痛みがくるまでの間隔が10分以内になったら、陣痛の始まりです。
陣痛は規則的に起こる子宮収縮のことで、子宮口が開くことを助け、赤ちゃんを産道を通して外へ押し出す役割があります。
陣痛が10分間隔になったら、病産院へ連絡しましょう。
破水
破水とは赤ちゃんを包んでいる膜である「卵膜」がやぶれて、羊水が膣から外へ流れ出る現象のことをいいます。
おしっこのように我慢して制御することは出来ず、意思とは関係なく流れ出てきます。
卵膜がやぶれた瞬間の自覚症状はないため、流れ出て初めて気がつきます。
破水があったら、自力で止めることは出来ませんのでナプキンをするか、バスタオルなどの大判の布を巻いて応急処置をしてください。
羊水の色は無色透明か、少量の血液が混ざって淡いピンク色をしています。
陣痛より先に破水が起こることもあります。
破水か陣痛のどちらかがあったらすぐに病産院へ連絡しましょう。
動くとどんどん羊水が出てきてしまうため、移動の際はできるだけ歩かず車やタクシーを利用しましょう。
なお、気になってお風呂に入りたいと思う方もいるかもしれませんが、破れた卵膜から赤ちゃんへ細菌感染のおそれがありますので、入浴は厳禁です。
膣を避けて清潔な布で軽く拭く程度にとどめましょう。
おしるしから陣痛までの平均時間
おしるしがあったらいつ陣痛がくるのかと気もそぞろだと思いますが、陣痛が始まるまでの平均時間は、個人差が大きく一概には言えません。
おしるしの後、3日以内に陣痛が始まることが多いようですが、1週間以上経ってから始まることもあります。
おしるしがきてからの過ごし方
ただでさえ分娩は体力勝負の長期戦です。
おしるしが来てからずっと気を張っていると体力が持ちません。
陣痛や破水が始まるまではすぐに病院へ行く必要はありませんので、リラックスして体力を温存しつつ、出産のための入院に備えて荷物の最終確認などを行いましょう。
またお産が始まったときに慌てないよう、それぞれの役割や動き、病院までの移動手段などについて、旦那さんやご家族とも確認しておきましょう。
臨月でおしるし以外の出血の可能性
臨月におしるし以外で出血する可能性として、「常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)」があります。
常位胎盤早期剥離とは原因ははっきりとは分かっていませんが、何らかの理由で分娩前に胎盤が子宮からはがれてしまう状態のことで、出血と痛みを伴います。
大量出血すると母子ともに生命に危険が及びますので、緊急帝王切開となります。
そのほか、ナプキンで足りないくらいの出血量がある場合や、痛みを伴う場合は何らかのトラブルが考えられますので、急いで病産院へ連絡して指示を仰いでください。
まとめ
おしるしの特徴は痛みを伴わない少量の出血で、粘り気があることが多くレバーのような塊で出ることもあります。
おしるしは心配のない出血ですが、出血量が多い、出血が続く、気になる痛みがある場合は医師へ報告して対応を確認しましょう。