妊娠が判明したとき、嬉しさと同時に「まず何をすればいいんだろう?」と多くの人が戸惑うことでしょう。
赤ちゃんを迎える準備は初めてのことが多く、戸惑いや不安を感じるのも当然です。
このコラムでは、妊娠初期に押さえておきたい大切なポイントをわかりやすく整理しました。
少しでも安心して、穏やかな気持ちで妊娠生活をスタートできるよう、ぜひ参考にしてください。
妊娠したらやることリスト
産婦人科を受診して妊娠が確定したら、母子手帳をもらいにいくように言われるので早めにもらいにいきましょう。
そのほか、妊娠初期に考えておいた方がいいことや決めておくことについてチェックしていきましょう!
【妊娠したらやることリスト(妊娠初期)】
- 母子手帳をもらいにいく
- 出産予定日の確認
- 分娩予約をとる
- 里帰り出産する?しない?
- 家族や職場への報告
- 助成金・給付金のチェック
- 出生前診断の検討
いつもと違う体調の変化に「これって妊娠?!」と思ったら、妊娠初期の症状についてのこちらのコラムをご参考にしてください。
母子手帳をもらいにいく
母子手帳は市区町村の役所などに「妊娠届出書」を提出することでもらえます。
その際に妊婦健診の補助券がもらえたり、住まいの地域の妊娠期・子育て期に役立つ情報が得られたりするので早めにもらいに行きましょう。
とくにいつまでにもらわなければならないと決まっているわけではありませんが、遅くとも妊娠11週(妊娠3ヵ月)までにはもらいにいくようにしましょう。
出産予定日の確認
出産予定日は「妊娠40週0日」、つまり妊娠開始日(最終月経開始日)から280日後が標準です。
しかし生理周期のズレや個人差などがあるため、超音波検査の測定結果から出産予定日を修正することがあります。
妊娠8週から12週頃に測定した胎児の頭殿長(とうでんちょう:頭からお尻までの長さ)の値を元に出産予定日を推定します。
分娩予約をとる
出産予定日が決まったら早めに分娩予約を取りましょう。
希望する出産のスタイル(自然分娩、無痛分娩など)、サポート体制(助産師の数、24時間対応の有無)、ハイリスク妊娠の場合は対応可能か(集中治療室の有無、産科以外の併設)、立地とアクセスなどによって出産する施設を選びます。
妊娠12週頃までに予約を済ませるのが一般的です。
里帰り出産する?しない?
里帰り出産は実家のサポートが得られるメリットの半面、旦那さんとはしばらく離れることになります。
ライフスタイルに合わせてどちらが良いのか、早めに話し合っておきましょう。
中には里帰り出産を受け付けていない医院もありますので、検討する場合は先に確認した方がよいでしょう。
家族や職場への報告
妊娠の報告はいつするのが適切か、みんなが悩むところだと思います。
妊娠12週までは流産が起こりやすい時期なので、お互いの両親への報告も妊娠12週を過ぎてからの方が良いでしょう。
職場にも、妊娠12週を過ぎたら直属の上司へは早めに伝えて、その後人事部門や関係部署に報告するのが一般的です。
特に、業務の調整や産休・育休の手続きを行う必要があるため、早めに報告しておくと職場全体の対応がスムーズになります。
ただし、職場環境や業務内容によっては、妊娠がわかった段階で早めに報告することが必要な場合もあります。例えば、重い物を持つ作業や有害物質を扱う業務がある場合、早急に業務内容を見直す必要があるためです。
助成金・給付金のチェック
妊娠・出産に関連して、いくつかの助成金や給付金を受けることができます。
助成金は自分で申請しないともらえませんので、忘れずに手続きしましょう。
【妊娠・出産でもらえる助成金・給付金】
- 妊婦健診費の補助券
- 出産育児一時金
- 出産手当金
- 育児休業給付金
- 児童手当
- 医療費控除
- 高額療養費
- 傷病手当金
- 退職者の所得税還付申告
- 失業給付受給期間の延長
就業状況や加入している保険(社会保険・国民健康保険)の種類によって利用できる制度が異なりますので、働いている方はお勤め先の担当部署に確認してください。
出生前診断の検討
出生前診断(しゅっしょうまえしんだん/しゅっせいぜんしんだん)とは、胎児の染色体異常など先天性疾患の一部を調べる検査のことです。
妊婦健診で全員が受ける超音波検査(エコー検査)も広義では出生前診断に含まれますが、その他にもいくつかの種類があります。
【主な出生前診断の種類】
- 母体血清マーカー検査
- 新型出生前診断(NIPT)
- 羊水検査
- 絨毛検査
検査は任意のため受けるも受けないも自由ですが、どの検査も妊娠初期に実施していることと、検査の結果によっては苦しい決断を迫られる場合もあり時間的猶予が必要になります。
そのため、妊娠が分かったら早めに受検の要否をご夫婦で話し合うことをおすすめします。
新型出生前診断(NIPT)についてはこちらのコラムをご参考にしてください。
妊娠したら気をつけて!やめる&避けることリスト
妊娠を計画しているならその時点でたばこやお酒などはやめることが理想ですが、思わぬ妊娠の場合もあることでしょう。
【妊娠したらやめる&避けることリスト】
- たばこ・お酒
- 薬・サプリメント
- レントゲン
- カフェイン
- 食べ物・飲み物
- 人混み
たばこ・お酒
たばことお酒は基本的に妊娠が分かった時点でやめれば問題ないとされています。
しかし過度な飲酒量や喫煙本数だった場合は、胎児に胎児性アルコール・スペクトラム障害や特異顔貌などを引き起こす可能性がありますのでほどほどにしましょう。
薬・サプリメント
サプリメントは食品のため、基本的には妊娠中も飲むことができます。
しかし、中にはビタミンAのように過剰摂取によって胎児に先天性の異常が起こるリスクが高くなるものもありますので、妊娠前から飲んでいるものでも念のため医師に確認するようにしましょう。
風邪薬(感冒薬)や胃腸薬は妊娠中に服用しても基本的に大丈夫だとされていますが、念のため医師や薬剤師に相談してから使用するようにしましょう。
レントゲン
歯の治療、胃や胸部の検査で使用するレントゲン(X線)程度では胎児への影響はないとされていますが、念のため検査の際には妊娠していることを伝えると安心です。
カフェイン・飲み物
妊娠中のカフェインの過剰摂取は胎児の発育が悪くなり低出生体重児となりやすいだけでなく、流産のリスクも高めます。
ただし、完全にNGではなくコーヒーなら1日に2~3杯は許容量とされています。
コーヒーのほか、ウーロン茶や日本茶、ハーブティー、エナジードリンクなどにカフェインは含まれていますので、気をつけて飲むようにしましょう。
妊娠中におすすめの飲み物についてはこちらのコラムをご参考にしてください。
食べ物
妊娠中は食中毒や感染症のリスクが胎児に影響を及ぼすため、生肉、生魚、ナチュラルチーズ、生卵などは避けるべきです。
生魚はまれに食中毒の原因になりますので、できればお刺身やお寿司は避け、火を通した料理にした方が安心でしょう。
また、水銀を多く含む魚(マグロ、大型魚など)は、胎児の神経発達に影響を与える可能性があるため、摂取量を控えるようにします。
人混み
妊娠中は免疫力が低下するため感染症にかかりやすく、母体や胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に風邪や感染症が流行している時期や場所では、できるだけ人混みを避け、手洗い・うがいなどの予防を徹底することが大切です。
まとめ
妊娠したらやることは山ほどあるため、やり忘れがないようチェックしながら一つずつ確実にこなしていきましょう!
ただし、妊娠初期はつわりで体調の変化やメンタルの浮き沈みが起こりやすい時期でもありますので、無理をせず、自分のペースで進めることが大切です。
体調が優れないときは、家族や友人に頼ることも忘れず、リラックスしながら過ごしましょう。
少しずつでも前進していけば、大切な赤ちゃんとの新しい生活に向けて、確実に準備が整います。
心にゆとりを持って、楽しみながらマタニティライフをお送りください。