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妊娠に関連して起こる不正出血とは

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author:DNAサイエンス
不正出血で腹痛を感じる女性

生理以外で突然性器からの出血があると誰しも驚き不安に感じることだと思います。

出血する原因はさまざまで、ストレスや良性のポリープによるもの、性行為時の刺激によるもののほか、腫瘍やがんなどの病気でも不正出血する可能性があり、妊娠に関連することもあります。

ここでは不正出血にはどのような症状があり、どのような病気が隠れているのかなどについてご紹介しています。

不正出血の症状チェック

下着に少量の血がつく

生理以外の原因で膣(ちつ)から出血することを総称して「不正出血」といいます。

出血量や色、頻度や時期は不正出血する原因によって異なります。

【不正出血の症状】

  • 生理ではない時期の出血である
  • 少量の鮮血がトイレットペーパや下着につく
  • 茶色いおりもの
  • ピンク色のおりもの
  • 生理のような鮮血
  • どす黒い出血

おりものに血が混ざると茶色やピンク色になります。

出血してすぐの血液は鮮やかな色をしていますが、時間が経ったものは茶色やどす黒い色をしています。

症状から原因を特定することは難しく、とくに出血量が多い場合や痛みを伴う場合はすぐに受診してください。

生理不順がある人は生理が終わって1週間後にまた生理が始まることもありますが、これは不正出血には当たりません。

正常な生理周期は25~38日とされていますので、生理周期の乱れが続く方は早めに婦人科を受診してみることをおすすめします。

原因

原因としては主に以下のようなものが考えられます。

【不正出血の原因】

  • ホルモンバランスの乱れ
  • 炎症
  • 腫瘍
  • 妊娠に関連するもの
  • 裂傷
  • 排卵出血
  • ピルの副作用

出血場所は主に膣や子宮頸管、子宮内があります。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスの乱れ

転職や転居、生活習慣の乱れなどによるストレスはホルモンバランスが乱れる原因となります。

そのほか思春期や更年期でもホルモンのバランスが乱れやすく不正出血が起こりやすい時期ともいえます。

女性ホルモンのはたらきによって、女性の体には生理をはじめとしたさまざまな変化がおこり妊娠できる体の環境を整えています。

ストレスなどによって女性ホルモンのバランスが崩れると、生理ではない時期に性器から出血を起こすことがあります。

炎症

クラミジアや淋菌などの性感染症やその他細菌の感染などによって炎症が起きていると不正出血の原因となります。

炎症が起こる場所は細菌が繁殖しやすい膣や子宮内膜のとくに子宮の入り口などです。

腫瘍

子宮や卵巣などにできたポリープや腫瘍が出血の原因となることがあります。

良性で放っておいてもそれほど問題のないものと、子宮頸がんや膣がんなど悪性の腫瘍があります。

妊娠に関連するもの

妊娠したことによる体の変化によって起こる不正出血があります。

詳しくは後述しますが、子宮外妊娠や流産などの妊娠を継続できないもののほか、切迫流産や絨毛膜下血腫など妊娠が継続できる可能性のあるものがあります。

裂傷

性行為や触診などによる刺激で傷があると少量の出血が見られることがあります。

排卵出血

卵子が約1ヵ月に1回卵巣から放出される日を排卵日といい、この頃に性行為をすることで妊娠の可能性が高くなります。

排卵日の前後に「排卵出血」といわれるごく少量の出血がおこることがありますが、これは卵胞の膜が破裂して中の卵子が飛び出すときに起こる出血で心配のないものです。

トイレットペーパーに少し血がついたり茶色いおりものが少量出る程度ですぐにおさまります。

排卵日
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ピルの副作用

低用量ピル

ピルを服用し始めてまだ慣れていない時期に不正出血が起こることがありますが、これはホルモンバランスが一時的に乱れることが原因です。

そのほか慣れてからでもピルの飲み忘れや体調不良、過度なダイエットなどが原因となることもあります。

妊娠に関連して起こる不正出血

正常な妊娠経過でも不正出血は起こる可能性があり、出血の有無だけでは心配のないものなのかトラブルによるものか判断が難しい場合があります。

【妊娠に関連して起こる可能性のある不正出血】

  1. 着床出血
  2. 子宮外妊娠(異所性妊娠)
  3. 流産・切迫流産
  4. 絨毛膜下血腫
  5. 胞状奇胎

着床出血は心配いりませんが、そのほかはトラブルにより出血が起こっています。

妊娠中は子宮内の血液循環が豊富になっていますので、ちょっとした刺激でも出血しやすくなっています。

少量の出血はよくあることですが、何が原因の出血か自分では判断できませんので、落ち着いて色や量を確認しましょう。

特に鮮やかな色の血が出る場合や量が多い場合、おなかの痛みが強い場合はすぐに受診してください。

着床出血

着床出血とは受精卵が子宮内膜に着床するときに子宮内膜が傷つくことで起こる出血のことで、妊娠した女性の4人に1人以下の頻度だといわれています。

時期は排卵日前後にセックスした日からおよそ1週間後です。

少量の出血で1~3日程度でおさまります。

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子宮外妊娠

受精卵が育つことができない、妊娠が継続できない場所に着床することを子宮外妊娠(異所性妊娠)といいます。

下腹部痛や不正出血が起こることもありますが、まったく自覚症状がないこともあります。

対策としては、妊娠検査薬で陽性反応があったら早めに医療機関を受診して正常な妊娠かどうか検査をすることです。

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流産

流産してしまうことは決して珍しいことではなく、妊婦さんのうち約15%が流産しています。

特に妊娠12週未満の妊娠初期に起こる流産が8割以上を占めており、その多くは赤ちゃんに遺伝子や染色体の異常などがあり育つことができないためにおこります。

兆候として不正出血や下腹部痛、お腹の張りなどがありますが、症状がほとんどなく流産が起こるケースもあります。

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絨毛膜下血腫

絨毛膜と子宮内膜の間にできた血の塊のことを絨毛膜下血腫といい、妊娠初期によくみられます。

おなかの張りや不正出血があることもありますが、自覚症状がないケースもあります。

血の塊が大きい場合は流産のリスクがあります。

胞状奇胎

異常妊娠の一つである胞状奇胎(ほうじょうきたい)は絨毛組織の一部が異常に増殖したものです。

妊娠の継続はできませんが、不正出血のほかつわりが起こることもあります。

妊娠を確認するために受診した際の超音波検査で調べます。

不正出血の原因となる疾患

不正出血が起こる可能性のある疾患はさまざまなものがあります。

また、妊娠が直接の原因でなくても以下の要因によって妊娠中に不正出血が起こることもあります。

【不正出血の原因となる疾患】

  • 子宮頸管ポリープ
  • 子宮内膜ポリープ
  • 子宮膣部びらん
  • 内診などの刺激による出血
  • 子宮内膜炎
  • 膣炎
  • 頸管の炎症
  • 子宮筋腫
  • 子宮頸がん
  • 子宮体がん
  • 膣がん
  • 卵巣がん

このような原因となる疾患が進行すると不妊や妊娠中のトラブルなどにもつながりますので、定期的な検診による早期発見と早期治療が大切です。

ポリープ

子宮内膜ポリープ

ポリープとはいぼ状のできもののことで、子宮の出口にあたる子宮頸管にできると性交や排便などの刺激で出血することがあります。

そのほか子宮内膜にできることもあります。

ポリープはほとんどが良性のためあまり心配はいりません。

子宮膣部びらん

子宮膣部びらん

びらんとは粘膜が赤く炎症したように見える状態のことで、よく見られる現象です。

ホルモンの作用によって起こりますが、検査で細胞に異常がなければ経過観察となります。

子宮内膜炎

子宮内膜炎、子宮頸管炎

子宮の内側を覆っている粘膜が細菌の感染などによって炎症を起こしている状態です。

不正出血の他おりものの量が増えたり下腹部痛が見られることもありますが、自覚症状が軽いと見過ごしてしまうこともあります。

放置して炎症が卵管まで広がると不妊の原因となることもあります。

がん・腫瘍

子宮頸がん、子宮体がん

子宮筋腫は良性の腫瘍で不正出血のほか月経困難症や過多月経の原因となります。

妊娠中に発見された場合、筋腫の大きさや場所などによっては帝王切開とすることがあります。

子宮頸がんや子宮体がん、膣がんなどの悪性の腫瘍は不正出血のほか進行すると下腹部痛が続いたりします。

受診の目安

強い痛みを伴う場合や出血量が多く続くような場合は、すぐに受診してください。

痛みを感じていなくても重大な病気が隠れていることもあり、原因が自分では判断できないため少量の出血でも安心はできません。

受診した結果、経過観察となったとしてもご本人は安心できると思いますので、生理でない出血があった場合は一度受診してみてください。

治療方法

不正出血は原因に応じて治療を行なっていきます。

ホルモンバランスの乱れが原因と考えられる場合、経過観察とすることもありますが、出血が続く場合はホルモン剤による治療をします。

炎症がある場合はその原因となっている菌に対する抗生剤での治療をします。

腫瘍やポリープがある場合は必要に応じて手術で取り除きます。

ポリープは部位によっては簡単な処置で取り除くことができます。

まとめ

晴れ晴れとした表情で伸びをする女性

不正出血は誰にでも起こる可能性があります。

特に妊娠中の出血は「赤ちゃんに悪影響があったら。。。」と不安になりますね。

心配のない出血から重大な病気が隠れているケースまであり、出血量や出血の期間などからご自身で原因を特定することはできませんので、生理ではない出血があった場合は一度医療機関でご相談してみてくださいね。


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