「着床」をもって妊娠成立とするため、妊娠を心待ちにしている女性にとって着床する時期とそのサインはいち早く知りたい情報ではないでしょうか。
排卵や着床は体外から観測できませんが、体に起こる変化などでそのサインを知ることができます。
ここでは着床が起こるタイミングとそのサインなどについてご紹介しています。
着床が起こるタイミング
女性は365日いつでも妊娠できるわけではありません。
妊娠するためには精子と卵子が出会う必要があるため、排卵に合わせて性行為をすることで妊娠の可能性が高くなります。
排卵日を正確に予測することは困難ですが、生理周期からある程度予測することができます。
卵管で受精した受精卵はおよそ7日間かけて子宮へと移動し、無事に着床することで妊娠が成立します。
排卵
排卵は生理周期に合わせて約1ヵ月に1回起こります。
生理周期は個人差がありますが、25~38日であれば正常範囲内です。
28日周期の女性の場合、生理が始まった日から約14日後に排卵が起こります。
排卵日は基礎体温表をつけるか、排卵日検査薬で調べることで予測することができます。
性行為
卵子の寿命はおよそ1日、精子の寿命はおよそ3日程度ですので、排卵日の3日前くらいから性行為をすることで妊娠する可能性が高くなります。
性交によって女性の膣へ射精された精子は、子宮頸管を通って卵管へと進みます。
1回の射精では1億個以上の精子が放出されるものの、卵管までたどり着けるのは0.00001%以下の狭き門です。
その中でも受精できるのはわずか1つです。
受精
卵子と精子が出会い結びつくことを受精といいます。
受精できるのは卵子と精子の寿命から考えると、性行為から72時間以内です。
卵管で結びついた受精卵は、細胞分裂を繰り返しながら7日ほどかけて子宮に移動します。
着床
子宮に到着した受精卵が子宮内膜に定着することを着床といいます。
受精卵がすべて着床できるわけではなく、受精はしたものの子宮までたどり着けないことも多く、まさに妊娠は奇跡と言えます。
着床するのは性行為からおよそ7日~10日後です。
着床のサイン
着床は女性の体内で起こるため観測はできませんが、体の変化から妊娠に気づくことができるかもしれません。
着床出血のほか、妊娠が成立していればおりものの変化や基礎体温の変化など、妊娠超初期症状と呼ばれる変化があるかもしれません。
着床出血
着床出血とは受精卵が子宮内膜に着床するときに、子宮内膜が傷つくことで起こる出血のことです。
生理のような出血量ではなく、少量の出血が長くても数日で終わります。
妊娠すると必ず起こるものではなく妊娠した女性の4人に1人以下の頻度といわれており、あってもなくても妊娠の経過に影響はありませんので、妊娠したサインの一つとしてとらえましょう。
おりもの
妊娠していれば「おりもの」がいつもとは違う変化をします。
普段は生理が近づくにつれておりものの量は減っていきますが、妊娠するとおりものの量は多いままで黄色っぽいこともあります。
妊娠超初期症状
妊娠に気づくか気づかないかの「妊娠0週~妊娠3週」頃までを俗に「妊娠超初期」と呼ぶことがあります。
ほとんどの方は妊娠の自覚症状はありませんが、ムカムカする、吐き気がある、においに敏感になる、急に食欲がなくなる、胸が張る、感情の起伏が激しいなどのなんらかの変化を感じる方もいます。
妊娠かも?と思ったら
着床出血や妊娠超初期のような症状があり、次の生理予定日から1週間が過ぎても生理が始まらない場合は妊娠の可能性があります。
妊娠検査薬が反応するのも、次の生理開始予定日の1週間後くらいからですのでチェックしてみましょう。
陽性の反応が出れば妊娠している可能性は高いと言えますので、早めに婦人科を受診しましょう。
まとめ
着床のサインは着床出血のほか、女性ホルモンの変化によって微熱が続いて風邪っぽかったり、だるいなどの体温の変化が見られたり、ムカムカするなど消化器系の変化を感じることがあります。
妊活中の方は禁酒や禁煙は心がけていると思いますが、思わぬ妊娠という方も着床のサインを感じたらまずはそれらのことに気をつけて、早めに受診するようにしましょう。
また、妊娠超初期の体の変化は生理前に感じる変化と共通点が多いため、着床のサインにこだわらず次の生理の有無で判断するのが良いかもしれません。