NIPT予約
お問い合わせ
フリー
ダイヤル

受精から着床までに気をつけるべき生活習慣とは?

category:
author:DNAサイエンス
たくさんの精子が卵子に向かって泳いでいる。受精

妊娠を望んでいるのに、なかなか妊娠につながらず、「自分に何か足りないのかな…」と不安になることはありませんか?

特に、受精から着床までの期間は体の変化が見えにくいため、気持ちが揺れやすい時期です。

そんなときこそ、生活習慣を少し見直すことが、妊娠しやすい体づくりの大切な一歩になることもあります。

質の良い睡眠やバランスの取れた食事、適度な運動、ストレスケアなど、今すぐ始められることから、着床しやすい環境を整えていきましょう。

このコラムでは、妊活中の方が安心して前向きに過ごせるヒントをご紹介します。

受精から着床までの流れ

受精から着床までの流れ

排卵は、前回の生理開始日からおよそ14日後に起こります(生理周期を28日とした場合)。

卵子の寿命は約24時間精子は条件が良ければ最大5日間女性の体内で生存可能です。

このため、排卵の前後に性行為があると、精子と卵子が出会って受精が成立する可能性が高くなります。

受精から着床が完了するまでは、通常6~10日ほどかかります。

妊娠を望む場合、この時期の体調管理や生活習慣がとても重要です。

【受精から着床までの流れ】

  1. 性行為が行われる
  2. 精子は数分〜数時間以内に子宮や卵管まで到達
  3. 排卵のタイミングと合えば、すぐに受精が起こる可能性がある
  4. 受精卵は細胞分裂を繰り返しながら卵管を通って子宮へと移動する
  5. 受精から約5日後、受精卵は胚盤胞に成長し子宮に到達
  6. その後1〜2日かけて子宮内膜に接着し始める(着床開始)
  7. 着床が完了すると、妊娠成立

着床までの日数と体内で起こること

性行為から受精までにかかる時間は、条件が整えば数時間以内〜1日程度です。

受精後、受精卵は細胞分裂を繰り返しながら卵管を移動し、子宮に向かいます。

【受精から着床までのスケジュール】

日数体内での変化
0日目受精(排卵日と同日が多い)
1〜3日目細胞分裂を繰り返しながら卵管内を移動(分割期胚)
4〜5日目胚盤胞に成長し、子宮に到達
6〜7日目胚盤胞が子宮内膜に接着し始める(着床開始)
7〜9日目着床が完了し、妊娠が成立

着床が完了すると、体内ではhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが分泌されます。これにより妊娠検査薬が反応し、妊娠を判定できるようになります。

着床を順調に進めるためには、子宮内膜の状態(厚さ・血流・ホルモンバランス)が大きく影響します。そのため、この時期の生活習慣や過ごし方が妊娠の成立に影響を与える可能性があります。

着床をサポートするために見直したい生活習慣

着床率を上げるための生活習慣

妊娠が成立するためには、受精卵が子宮内膜に着床する必要があり、着床率を高めるためには、日々の生活習慣を見直すことがとても重要です。

ここでは、着床しやすい体づくりをサポートするために、意識して整えたい生活習慣をご紹介します。

【着床率を上げるためにできること】

  • 毎日6~8時間の質の良い睡眠
  • 栄養バランスの整った食事
  • 体の冷え対策
  • 適度な運動習慣
  • ストレスをためない

睡眠|ホルモンバランスを整えるには十分な睡眠がカギ

気持ち良く眠る女性

睡眠は、妊娠に関わるさまざまなホルモンの分泌に大きく関わっています。

特に、排卵や黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌は、脳の視床下部と下垂体によって調整されており、その働きは睡眠の質に大きく左右されます。

睡眠不足が続くと、ホルモンバランスが乱れやすくなり、排卵のタイミングが不安定になったり、子宮内膜の準備がうまくいかないなど、妊娠に悪影響を与えることがあります。

妊娠しやすい体を整えるためには、毎日6〜8時間の質の良い睡眠を心がけることが大切です。

食生活|血流と子宮環境に良い栄養素とは?

着床率を上げるための食事例(洋食)

栄養バランスの整った食事は、子宮内膜を健康に保ち、着床しやすい体づくりに役立ちます。

必要な栄養素が不足すると、子宮内膜が十分に育たなかったり、血流が悪くなって受精卵が着床しにくくなることがあります。

また、着床を支えるホルモン(例:プロゲステロン)の分泌には、ビタミンやミネラル、良質な脂質などが不可欠です。

栄養不足や偏った食生活は、ホルモンの分泌リズムを乱し、排卵障害や黄体機能不全の原因となることもあります。

【着床率を上げるために必要な栄養素と食材一覧】

栄養素主な働き多く含まれる食材
葉酸子宮内膜の成長サポート、細胞分裂の促進ほうれん草、ブロッコリー、アボカド、納豆、枝豆
鉄分子宮への血流促進、貧血予防レバー、あさり、ひじき、小松菜、赤身肉
ビタミンE子宮内膜の血流促進、抗酸化作用アーモンド、かぼちゃ、アボカド、植物油(オリーブ油など)
ビタミンB6・B12ホルモンバランスの調整、エネルギー代謝鮭、バナナ、レバー、卵、鶏むね肉
オメガ3脂肪酸
(EPA・DHA)
抗炎症作用、子宮・卵巣の血流改善青魚(サバ・イワシ・サンマ)、亜麻仁油、えごま油
亜鉛女性ホルモンの合成、排卵や受精のサポート牡蠣、牛赤身肉、カシューナッツ、卵
タンパク質ホルモン・子宮内膜など身体の構成材料鶏肉、大豆製品(豆腐・納豆)、卵、魚、ヨーグルト
食物繊維腸内環境の改善、ホルモン代謝をサポートごぼう、さつまいも、海藻類、きのこ、玄米

【例:妊活中におすすめの1食(和食スタイル)】

  • 主菜:サバの塩焼き(オメガ3・タンパク質)
  • 副菜:小松菜と油揚げの煮びたし(鉄・ビタミンE)
  • 汁物:わかめと豆腐の味噌汁(亜鉛・大豆タンパク)
  • 主食:玄米ごはん(食物繊維・ビタミンB群)
  • デザート:黒ごまプリン(豆乳ベース)(大豆イソフラボン・カルシウム)

【例:妊活中におすすめの1食(洋食スタイル)】

  • 主菜:サーモンのムニエル(EPA・DHA)
  • 副菜:ブロッコリーとゆで卵のサラダ(葉酸・ビタミンE)
  • スープ:レンズ豆と野菜のトマトスープ(鉄・リコピン)
  • 主食:全粒粉パン(低GI・ビタミンB群)
  • デザート:ギリシャヨーグルト+ベリー+くるみ(タンパク質・抗酸化成分)

体の冷え対策|冷えが着床に影響するって本当?

湯舟につかる女性

「冷えは万病のもと」とよく言われますが、妊活中にも冷えは気をつけたいポイントのひとつです。体が冷えることで骨盤内の血流が低下すると、子宮や卵巣への血液の流れが悪くなり、子宮内膜の厚みや質に影響を与えることがあります。

着床しやすい環境を整えるためにも、以下のような日常的な冷え対策を心がけてみましょう。

  • 足元やお腹を温める:下半身の血流が良くなり、骨盤内の循環が促されます。
  • 湯船に浸かる習慣を持つ:全身を温め、リラックス効果も得られます。
  • 薄着を避け、温かい飲み物を選ぶ:内臓の冷えを防ぎ、代謝を維持しやすくなります。

こうした冷え対策は、直接的な医学的根拠は限定的ながら、子宮内環境の改善につながる可能性があるとされています。

ただし、カイロの使いすぎや高温の加温機器など、極端な温熱療法は逆効果になることも。体に負担をかけない程度の自然な温め方を意識することが大切です。

運動習慣|適度な運動が着床率を上げる理由

ヨガをする女性

適度な運動は、血流を良くし、ストレスを軽減することで、着床しやすい体づくりに役立ちます。

また、運動によってインスリン感受性が改善されることも、妊娠率の向上につながる要因のひとつです。

妊活中は、ウォーキングやヨガ、ストレッチなどの軽い有酸素運動を1日20〜30分程度行うのが理想的です。

反対に、過度な運動や激しい筋トレはホルモンバランスを乱すおそれがあるため、毎日続けやすい範囲の運動を意識しましょう。

【着床率アップのためにおすすめの運動】

  • ウォーキング(1日20~30分)
    • 骨盤内の血流を促進し、子宮や卵巣への酸素・栄養供給をサポート
  • 軽いジョギング(週2〜3回、15分程度)
    •  全身の代謝を活性化し、ホルモンバランスの調整にも効果的
  • 自転車(屋外 or 室内バイク)
    • 股関節周辺の血流を良くし、下半身の冷え対策にもおすすめ
  • ヨガ(妊活ヨガ・骨盤調整ヨガなど)
    • 深い呼吸とストレッチでリラックス。自律神経を整え、ストレス軽減に効果的
  • ストレッチ(朝・夜に5分ずつ)
    • 筋肉の緊張をほぐし、血行促進と自律神経の安定をサポート
  • ピラティス(週1〜2回)
    • インナーマッスルを鍛えて骨盤内の循環を改善。子宮や内臓の位置調整にも効果が期待できる

ストレス管理|精神的な安定が妊娠に与える影響

ストレス発散をする女性

強いストレスは、排卵やホルモンの分泌をコントロールしている視床下部-下垂体-卵巣軸(HPO軸)に悪影響を与え、妊娠しにくくなる一因となることがあります。

また、ストレスによって分泌されるコルチゾール(ストレスホルモン)が慢性的に増加すると、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が抑制され、子宮内膜の状態が悪化する可能性もあります。

妊娠しやすいホルモンバランスを保つためには、心のセルフケアを意識的に日常生活に取り入れることが大切です。

【ストレス軽減に役立つセルフケア例】

  • 深呼吸や瞑想を行う
    •  自律神経を整え、気持ちを落ち着かせる効果があります。
  • 趣味や軽い運動でリフレッシュ
    •  適度な活動は気分転換になり、気持ちの切り替えに役立ちます。
  • パートナーと気持ちを共有する
    •  不安やプレッシャーを抱え込まず、安心感を得ることができます。

このようなストレス対策を習慣にすることで、妊娠に向けたホルモン環境の安定につながります。

受精から着床までの時期に避けるべきNG習慣

着床率を妨げる原因は1つではなく、子宮内環境の不調、ホルモンバランスの乱れ、生活習慣、年齢、疾患など多くの要素が複雑に関係しています。

【着床を妨げる主な要因】

カテゴリ具体的な要因
身体的要因子宮内膜が薄い/ホルモン異常/加齢/疾患(子宮筋腫・内膜症など)
生活習慣の乱れ喫煙/飲酒/ストレス/カフェインの摂りすぎ/冷え/運動不足
医学的要因自己免疫異常/血液凝固異常/卵子の染色体異常など

次の項目では、これらの中でも特に生活習慣に注目し、着床率の低下につながりやすい行動やその改善方法について詳しく解説します。

喫煙・アルコール|受精卵や子宮内膜への悪影響

飲酒・喫煙をする女性

喫煙は、卵巣機能の低下や卵子の質の悪化を引き起こします。さらに、血管収縮作用により子宮内膜への血流が悪くなり、受精卵の着床がしにくくなる原因の一つとも考えられています。

アルコール摂取はホルモンバランスに影響を与える可能性があり、排卵障害や着床不全につながるリスクがあります。

一般的に、妊娠が確定する前の飲酒は胎児に影響を与えないと考えられていますが、妊娠が判明する前に過度な飲酒を続けていた場合、胎児の重要な器官が形成される妊娠初期(4~8週頃)に影響を与える可能性があります。

そのため、妊娠を希望する段階から喫煙・飲酒は避けることが推奨されます。

カフェインの摂りすぎ|どこまでならOK?

コーヒーを飲む女性

カフェインは中枢神経を刺激し、ホルモンや自律神経の働きに影響を与えることがあります。

特に、カフェインには血管を収縮させる作用があり、子宮や卵巣への血流が低下すると、子宮内膜の発育や着床に悪影響を及ぼす可能性もあります。

また、カフェインはストレスホルモン(コルチゾール)の分泌を促進し、視床下部―下垂体―卵巣軸(HPO軸)に影響を与えることがあります。

これにより、排卵や月経周期が乱れることもあると指摘されています。

こうした理由から、妊活中や妊娠中のカフェイン摂取量は1日200mg以下が推奨されています。これはコーヒーでおよそ1〜2杯に相当します。

なお、紅茶・緑茶・ココア・チョコレートなどにもカフェインが含まれているため、1日の合計摂取量に注意することが大切です。

無理なダイエットや過度な運動

過度なダイエットをする女性

極端なカロリー制限や栄養不足は、体内のエネルギーが不足することでホルモン分泌が低下しやすくなり、排卵障害や子宮内膜が十分に育たない原因となることがあります。

また、激しい運動を継続すると、エストロゲンの分泌が減少しやすくなり、無月経や排卵障害を引き起こすリスクが高まります。これは、特にエネルギー消費の大きいスポーツやダイエットに取り組む女性に多く見られる傾向です。

妊活中は、体にも心にも無理のない範囲で生活を整えることが大切です。栄養バランスのとれた食事と、負担にならない程度の適度な運動を心がけましょう。

過度なスマホ・ブルーライト|睡眠の質に影響

就寝前のベッドでのスマホ使用。ブルーライトに照らされる女性

寝る前のスマートフォンの使用や長時間のブルーライトの浴びすぎは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制し、睡眠の質を低下させることがわかっています。

さらに、メラトニンには卵子の老化を防ぐ抗酸化作用があるとされており、妊娠を望む方にとっては、質の良い睡眠をとることが非常に重要です。

そのため、就寝の1時間前からはスマホやパソコンの使用を控えるといった習慣を意識して、ホルモンバランスと睡眠環境を整えましょう。

よくある疑問Q&A|着床を助けるためにできること

妊娠を希望する方にとって、受精から着床までの期間は不安と期待が交差する大切な時期です。ここでは、妊活中によく寄せられる疑問にお答えします。

サプリは摂ったほうがいい?

食事から栄養を摂るのが基本ですが、妊活中は必要な栄養素を補う目的でサプリを取り入れるのも効果的です。

特に以下の栄養素は、着床環境や妊娠の成立に関わる重要な役割を果たします。

  • 葉酸:子宮内膜の形成や細胞分裂を助け、妊娠初期の胎児の神経管閉鎖障害リスクを低下させる
  • 鉄分・ビタミンE・ビタミンB群:血流やホルモンバランスの維持に必要
  • オメガ3脂肪酸(EPA・DHA):抗炎症作用があり、卵巣や子宮の環境を整える働きがある

ただし、サプリはあくまで補助的なものです。基本はバランスの取れた食生活を心がけましょう。

着床時期に「兆候」はあるの?

個人差はありますが、着床に関連する変化を感じる方もいます。

代表的なものには以下のような兆候があります。

  • 軽い下腹部痛や張り:着床時の微細な炎症によるもの
  • 微量の出血(着床出血):排卵から7〜10日後にごく少量の出血があることも
  • 体温が高温期のまま安定:基礎体温が高温期のまま続く
  • 眠気・だるさ・胸の張り:ホルモン変化による一時的な症状

ただし、これらの変化は生理前の症状と似ているため、兆候があるからといって必ず着床したとは限りません。

妊娠検査薬はいつから反応する?

多くのメーカーでは、生理予定日の1週間後からの妊娠検査薬の使用を推奨しています。

これは、妊娠が成立すると分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが、尿中に十分な量検出できるようになるまで着床から数日かかるためです。

早期検査薬の中には生理予定日当日から使用できるタイプもありますが、より正確な結果を得るには生理予定日から1週間後の使用が安心です。

おすすめの過ごし方は?

着床の時期はとても繊細な期間です。特別なことをする必要はありませんが、以下のポイントを意識するとよいでしょう。

【着床を助けるための過ごし方のポイント】

  • 無理をせず、ストレスを溜めない
    • リラックスする時間を確保し、気持ちを穏やかに保つ
  • 体を冷やさない
  •   腹巻きや湯船に浸かるなどで子宮周りの血流をサポート
  • カフェイン・アルコール・喫煙を控える
    • 血流やホルモンに影響する可能性があるため
  • 睡眠と栄養をしっかりとる
    • ホルモンバランスや免疫力を整える基本

できるだけ心と体をいたわり、穏やかな気持ちで過ごしましょう。

まとめ|生活習慣を整えて妊娠しやすい体へ

着床率を高めるには、質の良い睡眠・バランスの取れた食事・適度な運動・冷えやストレスの軽減など、日々の生活習慣を見直すことが大切です。これらの積み重ねが、ホルモンバランスや子宮環境の改善につながり、妊娠しやすい体づくりをサポートします。

また、カフェインの過剰摂取・喫煙・過度なダイエットなどは、ホルモンの乱れや子宮内膜の機能低下を招き、着床率を下げる原因となる可能性があります。

妊娠を望む方は、まずは無理のない範囲で生活習慣を整え、心と体のバランスを大切にすることから始めてみましょう。


Page Top